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2009年6月14日 (日)

【読】デルスウ・ウザーラ

ずっと気になっていた本を読もうと思いたち、きのうから少しずつ読みはじめた。
活字が小さいのがつらいけれど、描かれている世界は広くて深い。

Derusu_uzara『デルスウ・ウザーラ 沿海州探検行』
 アルセーニエフ 著/長谷川四郎 訳
 平凡社 東洋文庫 55
 1965/11/10 初版第1刷
 2004/1/27 初版第18刷
 314ページ 2400円(税別)

黒沢明監督の映画で有名になったが、長谷川四郎が戦前(1943年)、南満州鉄道会社調査部に勤めていた時に翻訳した、古典的な名著である。

私がこの本を読んでみようと思いたったのは、星野道夫さんの愛読書だったことを知ってからだった。
手に入れたものの、これまでなかなか読めないでいた。

【過去記事】
 【読】星野道夫さんの本棚(続) 2008/7/2
  http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2008/07/post_1476.html


Hoshino_coyote_no2「Coyote 第2号」 スイッチ・パブリッシング 2004/10/8発行
 特集 星野道夫の冒険
  ― ぼくはこのような本を読んで旅にでかけた。 ―

星野さんは、この本を擦りきれるまで愛読したという。
この雑誌には、星野さんの文章が引用されている(出典は書かれておらず、私も星野さんのどの本からなのかすぐにはわからないが)。

<夜になると(太陽は沈まないが)、川岸から集めてきた流木で焚火をした。……焚火は一人でいるときの最良の友だちだ。 火を見つめていると、時間が経つのを忘れてしまう。 火のそばに寝ころびながら、灰だらけのコーヒーをすする。 そして、もう何度読み返したかわからないアルセーニエフの『デルスウ・ウザーラ』のページを繰っていると、これほどぜいたくな時間はほかにないだろうと思われる。>

星野さんのアラスカの家の書斎には、ボロボロになったこの本を改めて装幀しなおしたものが残されていたそうだ。
「Coyote」の特集には、星野さんの愛した本が挿画(赤井稚佳)で載っていて、こういう本なら読んでみたいなと思ったものだ。
(Coyote 第2号 P.52)

一年ちかく本棚で眠っていたこの本を引っぱりだしてきたのは、服部文祥さんの本 『サバイバル!』(ちくま新書)に刺激され、私のなかに埋もれていた「自然への欲求」のようなものが目をさましたせいだろうか。

Hattori_survival_2_2『サバイバル!』
 服部文祥 ちくま新書

第二章「サバイバル実践」 冒頭(P.67)に、『デルスウ・ウザーラ』の一節が引用されている。

 「わし、こう、見て、思う――空気、軽くて、重くない」 ゴリド人は息をして、自分の胸をゆびさした。
 彼はすっかり自然といっしょに生活していて、自分の体そのもので生れながらに天気の変化を予感できたのである。
 (ウラジミール・アルセーニエフ 『デルスウ・ウザーラ』)

服部文祥さんも、この本を愛読したのだろうか。

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コメント

ご無沙汰していました。
季節はも夏ですね。
「デルス・ウザーラ」
衛星放送でやっていたのを、録画し2回続けて見ました。
デルスは、星野道夫さんと似ているな、と思いながら見ていたら、後で星野さんの愛読書と知り、納得しました。

冒険家になりたいと夢見た道夫少年は、
その夢を叶えました。

本はまだ手に入れてないのですが、
いつか読んでみたいものです。

やまおじさんの感想をお聞きしたいです。

ところで、書店でもネットでも品切れ状態の
村上春樹の新作は、ご興味ないですよね。
私はアマゾンからやっと送ってきて、
遅ればせながら、読み始めます。

投稿: モネ | 2009年6月19日 (金) 19時20分

>モネさん
コメント、ありがとうございます。
『デルスウ・ウザーラ』 ようやく三分の二にさしかかりました。
映画は見ていないのですが、本の印象では、星野さんは作者のアルセーニエフに重なるように、私には思えます。
いずれ、感想文をブログに書くつもりですが、歯ごたえのある本です。目も疲れます。

村上春樹さんの話題の本は、ずいぶん売れているようですね。
お察しのとおり、私はあまり関心がありませんが……。
(春樹ファンの皆さん、ごめんなさい)

投稿: やまおじさん | 2009年6月19日 (金) 21時53分

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