【読】沿海州、シベリアタイガー
『デルスウ・ウザーラ』 (アルセーニエフ著、長谷川四郎訳、東洋文庫) を読んでいて、沿海州と呼ばれる地域(サハリン、北海道のすぐ隣りなのだ)に興味がわいた。
市販の世界地図などでは、詳しい地名がさっぱりわからない。
『デルスウ・ウザーラ』(東洋文庫)の巻末に簡単な地図が付いているのだが、アルセーニエフ一行の足跡がピンとこないために、イメージがわかないのだ。
図書館に予約していた本を受けとりに行ったついでに、館内端末を使って 「沿海州」 のキーワードで検索してみたら、こういう本がみつかった。
さいわい、この喜平図書館に所蔵しているものだったので、借りてきた。『虎山(こざん)へ』 平岡泰博 著
集英社 2003/11/22発行
262ページ 1600円(税別)
e-honサイト
http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000031210830&Action_id=121&Sza_id=C0
読まれた形跡のない、きれいな本だ。
(しおりの紐が折りたたんだままだ)
アルセーニエフの 『デルスウ・ウザーラ』 は、今から百年前の探検記だが、この本はまさに現代の「沿海州」(シホテ・アリニ山脈の東側)が舞台。
『デルスウ・ウザーラ』に描かれている世界に重なる。
「虎山」(こざん)も、アルセーニエフの本に出てくる、デルスウが虎に語りかけた場所の地名だ。
百年前のアルセーニエフ一行が徒歩で苦労したのに対し、こちらは車での移動ではあるが、「沿海地方(プリモルスキー)」と呼ばれるこの地方の厳しさは変わらないようだ。
楽しみな本である。
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