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2009年9月 3日 (木)

【読】江戸レファレンスブック

昼休み、勤務先のちかくにあるBOOK OFFで、またこんな本をみつけてしまった。
タイトルにひかれて手にとってみると、これがなかなかおもしろそうなのだ。

Kurihara_ooedo_chousa『大江戸調査網』 栗原智久 著
 講談社選書メチエ 380  2007/1/10発行
 215ページ 1500円(税別)

<単位に貨幣に衣・食・住……。/江戸の世界のあれこれを調べるための現代の諸書と江戸時代に書かれた江戸随筆を “江戸レファレンスブック” として紹介。/読んで楽しく、自分で調査してなお楽しい、画期的「ツール本」の誕生!>

レファレンスブックとは、図書館の世界でつかわれている言葉、だそうだ。
英語の意味は、「レファレンス=reference=参考・参照」だが、「図書館で、資料・情報を求める利用者に対して提供される、文献の紹介・提供などの援助。参考調査業務」(広辞苑)ということらしい。

この本では、「江戸レファレンスブック」をおもしろく紹介している。
「単位」「貨幣」「暦・時」「衣」「食」「住」「生業(なりわい)」「言葉」「地図・絵図」「辞(事)典・年表」といった章にわかれている。

一例をあげると、第七章「生業」では、「近世風俗志『守貞縵稿』」(喜田川守貞)にでてくる、江戸の物売りとして――鮮魚売り、枯魚売り、菜蔬売り、糊売り、花売り、針売り、箒売り、銅器売り、炭売り、醤油売り、塩売り、漬物売り、飴売り、菓子売り、蕃椒粉売り、小間物売り、烟草売り、筆墨売り、還魂紙(浅草紙)売り、植木売り、瓦器売り、竿竹売り、さぼん(しゃぼん)売り、銭さし売り、甘酒売り、……(あまりにも多いので、以下略)――と、多種多様な職業(生業)があげられていたりする。
江戸時代の都市生活の「豊かさ」を物語っていて、まことに興味ぶかい。

この本、索引もしっかりしているので、江戸辞典のようにも使え、かつ、いろんな書物を知ることができて、本好きで江戸好き(それはこの私だが)にはたまらない。


「講談社選書メチエ」には、いい本がたくさんある。
もう一冊、ずいぶん前に、古本屋(こちらは、ブックセンターいとう)でみつけたもの。
これもタイトルにひかれて買った。

Matsumoto_naze_tatakau『人はなぜ戦うのか 考古学から見た戦争』 松本武彦 著
 講談社選書メチエ 213  2001/5/10発行
 260ページ 1700円(税別)

<縄文時代にはなかった戦争が、弥生時代、「先進文化」として到来した。/食糧をめぐるムラ同士の争いは、いかに組織化され、強大な「軍事力」となるのか。/傷ついた人骨・副葬武器・巨大古墳など、膨大な発掘資料をもとに列島の戦いのあとを読み解き、戦争発展のメカニズムに迫る。>

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