【読】読めるかな?
「生き急ぎ、感じせく」(*) ことは、ないのだけれど。
【2009/9/27】 訂正・追記
* 内村剛介氏の著書に書かれていた、ロシアのヴャゼムスキーの詩の一節。
内村剛介 『生き急ぐ スターリン獄の日本人』 あとがき より
<ヴャゼムスキー公が、その詩『初雪』に「生き急ぎ また 感じせく」と書いた時、
ロシヤ語の日常では「生きる」と「急ぐ」、「感じる」と「せく」は結び合うことを
あからさまにこばんでいた。……>
こんな魅力的な本を持っていた。
今なら読めるかもしれない。
『日本残酷物語 1~5』
宮本常一・山本周五郎・揖西光速・山代巴 監修
平凡社ライブラリー 1995/4/15~8/15
1359円~1456円(税別)
親本 平凡社刊 初版(1959/11~1961/1) 全7巻(5部、別巻2)
第二版(1972/9~11) 全5巻
<これは流砂のごとく日本の最底辺にうずもれた人びとの物語である。自然の奇蹟に見離され、体制の幸福にあずかることを知らぬ民衆の生活の記録であり、異常な速度と巨大な社会機構のかもしだす現代の狂熱のさ中では、生きながら化石として抹殺されるほかない小さき者の歴史である。民衆の生活体験がいかに忘れられやすいか――試みに戦時中の召集令状や衣料切符、戦後の新円貼付証紙を保存しているものが、わずか二十年後の今日ほとんどないことからみても、現代がむざんな忘却の上に組み立てられた社会であることがわかる。小さき者たちの歴史が地上に墓標すら残さなくなる日は眼前に迫っている。……>
<民衆の生活にとって、納得しがたいことがいかに多いか、しかもそれらがいかに忘れ去られてゆくか――これが『日本残酷物語』をつらぬく主題旋律である。……> (『日本残酷物語』刊行のことば より)
平凡社ライブラリー版
第1巻 貧しき人々のむれ 541ページ
第2巻 忘れられた土地 573ページ
第3巻 鎖国の悲劇 587ページ
第4巻 保障なき社会 525ページ
第5巻 近代の暗黒 552ページ
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