【読】ようやく読了 「赤い人」(吉村昭)
本がなかなか読めない生活が続いている。
この本も、読みはじめてから十日もかかっただろうか。
最後は北海道にまで持っていって、飛行機の中で読んだりしていた。
今日、ようやく読了。
じつに面白い小説だった。『赤い人』 吉村昭
講談社文庫 1984/3/15
265ページ 495円(税別)
親本 1977年11月 筑摩書房刊
「赤い人」とは、朱色の囚人服を着た明治の囚人をさす。
北海道にあった「樺戸(かばと)集治監」が舞台だ。
道路もできていない明治初期、ここに収容された囚人たちの犠牲によって、北海道の道路は開拓された。
吉村昭の筆運びは淡々としていて、私は好きだ。
<樺戸監獄の関係書類は旭川監獄に映されたが、それらの書類に記録されている共同墓地に埋葬された囚人の遺体は千四十六体で、そのうち遺族に引き取られたのは二十四体に過ぎない。死因は、心臓麻痺が八十三パーセント強にあたる八百六十九体、逃走にともなう銃・斬殺、溺死、餓死及び事故死、自殺が百十三体、その他四十体と記されている。> (『赤い人』 講談社文庫 P.245)
| 固定リンク
「【読】読書日誌」カテゴリの記事
- 【読】2023年5月に読んだ本(読書メーター)(2023.06.01)
- 【読】池澤夏樹=個人編集 世界文学全集(2023.05.12)
- 【読】桐野夏生の新作(2023.05.07)
- 【楽】【読】五木寛之の夜 ふたたび(2023.05.04)
- 【読】池澤夏樹『また会う日まで』読了(2023.05.01)
「こんな本を読んだ」カテゴリの記事
- 【読】2023年5月に読んだ本(読書メーター)(2023.06.01)
- 【読】桐野夏生の新作(2023.05.07)
- 【読】池澤夏樹『また会う日まで』読了(2023.05.01)
- 【読】2023年4月に読んだ本(読書メーター)(2023.05.01)
- 【読】沢木耕太郎『天路の旅人』を読む(2023.04.15)
「吉村昭」カテゴリの記事
- 【読】肌寒い一日だった(2014.02.20)
- 【読】読了、吉村昭「三陸海岸大津波」(2011.04.13)
- 【読】読了、吉村昭 「関東大震災」(2011.03.31)
- 【読】吉村昭の「関東大震災」(2011.03.25)
- 【読】ようやく読了 「赤い人」(吉村昭)(2009.09.24)
コメント
月形町樺戸に、9月22日に行ってきました。まさに樺戸集治監あとの博物館を見ました。画家上野山清貢や元新撰組の永倉新八のことなども興味深く見ました。歌人土屋文明は、お爺さんがこの監獄で亡くなったことが歌の道へ入るきっかけだったそうです。
吉村昭「赤い人」はずいぶん昔に読みましたね。再読しようかと思っています。
投稿: 玄柊 | 2009年10月 2日 (金) 09時26分
玄柊さん>
コメント、ありがとうございます。
面白い小説でした。講談社文庫の解説(北海道文学館事務局長 木原直彦氏)も興味深いものです。この解説だけでも、お読みになるといいでしょう。
北海道。
行ってみたいところはたくさんあります。
この月形もそうですが、二風谷、トムラウシ山……等々。
私にとっては、はるかかなたです。
投稿: やまおじさん | 2009年10月 3日 (土) 08時45分