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2009年10月30日 (金)

【雑】コウイウヒトニワタシハナリタイ

宮澤賢治を持ちだすほどのこともない、通勤途上のくだらない話です。

毎日、片道一時間弱、通勤電車に乗っている。
通勤電車では皆さんお疲れのようで、運よく座席に腰かけることのできた人たちも、ほとんど居眠りしている。
熟睡している(と思われる)人も見うけられる。

ちかごろ目につくのは、うら若い女性が大きな口をあけ、完全に真上に顔を向けて眠りこけている姿。
しかも、隣りの人に、しっかりもたれかかっている。
ときどき目ざめて姿勢をたてなおすのだが、すぐ次の瞬間には元の態勢にもどる。
ちょっとやそっとでは目がさめないほど熟睡(爆睡)しているのか。

よほどのお疲れの様子に同情もするが、美人もだいなしの姿に、こちらのほうが恥ずかしくなる。
口の中に何か入れてみたたくなるのは、私だけか。
(悪い趣味だ。もちろん実行はしない)

人のことは言えないが、私の場合はうつむいてしまうので、あのような醜態はさらしていないはず。
自信はないけど。

ところが、昨日だったか、帰りの電車で席があいたので座ることができ、本を開いたものの、数ページ読んだだけで眠くなってしまった。
こっくりこっくりしつつ、右隣りをみると、若い女性が居眠りしている。
それほど、だらしない姿勢ではない。

左隣りの人をそれとなく見ると、やはり若い女性で、目を閉じておやすみの様子。
ところが、その姿勢たるや、背筋をまっすぐのばし、座席の背もたれとの間にすきまがある
つまり、やや浅目に腰かけ、背もたれに背中をつけていない。
いわば座禅の姿勢だ。

瞑想しているのかとも思ったが、やはり居眠りしている様子だ。
かすかに体がゆれている。
(しかし、私もよく観察しているものだなぁ)

座禅姿勢で居眠り――これには感心しました。
ぱっちり目ざめていても、あの姿勢で電車の座席に腰かけている人は、まず見かけない。
美しい寝姿、とでも言いましょうか。

あのような姿勢をたもてる人を、姿勢の悪い私は尊敬します。

コウイウヒトニ ワタシハナリタイ
(サウイウモノニ ワタシハナリタイ 宮澤賢治)

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