【読】2009年 こんな本を読んだ
まだ半月ほど残っているけれど、今年の 「こんな本を読んだ」 の総集編。
今年のはじめ、年間100冊を目標にしてみた。
今のところ、80冊ほどしか読んでいない。
途中で読むのをやめた本も何冊かある。
何日もかかった本、数時間で読みおえた本、いろいろあったな。
持っている本の量や読んだ本の数を、ついつい自慢したくなるのが人情だけれど、そこにたいせつな意味があるはずもない。
読書体験の中味がたいせつなのだ、と自戒しつつ、この一年、濃厚な読書体験をさせてくれた本をふりかえってみたい。水木しげるの本を何冊か読んだ(コミックを含む)。
『水木しげるのラバウル戦記』 (ちくま文庫)が印象に残っている。
『コミック昭和史』 (講談社文庫)は、最初の巻しか読めなかった。
白土三平の 『カムイ伝』 とともに、年末年始の休みにでもゆっくり読んでみたいと思う。 船戸与一 『満州国演義』 (新潮社)をまとめて5冊、1月から2月にかけて読んだ。
4巻目までは、再読。
5巻目『灰塵の暦』が1月に出版されたのを機に、通して読んでみた。
続巻はまだ出ていない。
船戸さんに関して、健康面で悪い噂を耳にしているので心配だ。
全8巻の予定と聞いているが、未完のままおわってしまうのだろうか。船戸与一さんの著作で、まだ読んでいなかったものをいくつか読んだ。
これからも読みつづけたいと思う。
『河畔に標なく』 (集英社2006年)
『蝶舞う館』 (講談社2005年)
『三都物語』 (新潮社2003年)
対談集 『諸士乱想』 (徳間文庫1998年)
『流沙の塔』 (新潮文庫2002年)
そこから派生して、高野秀行さんという人を知ったことは、今年の収穫だった。
教えてくださった、こまっちゃんに感謝。
高野秀行さんの本を立て続けに乱読した。
ハマった、と言っていい。『アヘン王国潜入記』 (集英社文庫)
『世界のシワに夢を見ろ!』 (小学館文庫)
『ワセダ三畳青春期』 (集英社文庫)
『幻獣ムベンベを追え』 (集英社文庫)
『メモリークエスト』 (幻冬舎)
『異国トーキョー漂流記』 (集英社文庫)
『怪しいシンドバッド』 (集英社文庫)
『巨流アマゾンを遡れ!』 (集英社文庫)
『西南シルクロードは密林に消える』 (講談社)
『神に頼って走れ!』 (集英社文庫)
『怪魚ウモッカ格闘記』 (集英社文庫)
『辺境の旅はゾウにかぎる』 (本の雑誌社)
『怪獣記』 (講談社2007年)
どの本もおもしろかった。
さらに、高野さんの著作から、内澤旬子さんや服部文祥さんといった、魅力ある人たちを知った。斉藤政喜/内澤旬子(イラスト) 『東方見便録』 (小学館1998年)
『東京見便録』 (小学館2009年)
内澤旬子 『世界屠畜紀行』 (解放出版社2007年)
どれも「目から鱗が落ちる」思いをさせられた内容だった。服部文祥 『サバイバル!』 (ちくま新書2008年)
『サバイバル登山家』 (みすず書房2006年)
この二冊も、魅力的な本だった。
服部さんのサバイバル登山というワイルドな登山スタイルを知ったちょうどその頃、北海道の大雪山系 トムラウシ山で、いたましい集団遭難事故があったので、なおさら強く印象に残った本だ。
先の戦争に関する本を、今年も読んだ。上笙一郎(かみ・しょういちろう) 『満蒙開拓青少年義勇軍』 (中公新書)
朝日新聞山形支局 『聞き書き ある憲兵の記録』 (朝日文庫)
澤地久枝 『もうひとつの満州』 (文藝春秋社)
『わたしが生きた昭和』 (岩波現代文庫)
赤塚不二夫 『これでいいのだ 赤塚不二夫自叙伝』 (文春文庫)
森史朗 『松本清張への召集令状』 (文春新書)
川嶋康男 『永訣の朝 樺太に散った九人の逓信乙女』 河出文庫(2008年)
読みたい本は、まだたくさんあったが、いつのまにか興味が別の方向にいってしまった年だった。平岡正明 『日本人は中国で何をしたか』 (潮文庫)
『石原莞爾試論』 (白川書院)
平岡さんは、今年、惜しくも亡くなってしまった。
私の兄貴分にあたる年代の人がいなくなるのは、さびしい。
その他、たくさんの魅力的な人たちに、本の世界で出会えた年だった。
充実していた、とい言っていいだろう。
ことに、関野吉晴さんと長倉洋海さんを知ったことが、うれしい。
金関寿夫 『魔法としての言葉 アメリカ・インディアンの詩』 (思潮社1988年)
ナンシー・ウッド/フランク・ハウウェル(画)/金関寿夫訳
『今日は死ぬのにもってこいの日』 (めるくーまーる1995年)
長倉洋海・関野吉晴 『幸福論』 (東海大学出版会2003年)
関野吉晴 『グレート・ジャーニー①南米~アラスカ篇』 (ちくま新書2003年)
『グレート・ジャーニー②ユーラシア~アフリカ篇』 (ちくま新書2005年)
長倉洋海 『ヘスースとフランシスコ』 (福音館書店2002年)
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