【読】ヘスースとフランシスコ
図書館に予約していた本が届いたので、借りてきた。
好ましい感じの本だ。
本文の漢字にはルビがふってあり、この本が青少年を対象に書かれたことがわかる。
子どもたちに、こういう本を読ませたいと私も思う。
そういえば、写真家の星野道夫さん(故人)も、子ども向けの写真と文章の本を何冊も残している。
二人とも、人間が好きで、子どもが大好きなんだ、きっと。『ヘスースとフランシスコ』
― エル・サルバドル内戦を生きぬいて ―
長倉洋海 福音館書店
2002/9/25初版発行 230ページ
1600円(税別)
<中米の、そのまた真ん中の小国、エル・サルバドル。1982年、内戦の続いていたこの国に、ひとりの若い写真家が、自身の転機を求めて飛びこみます。難民キャンプで目を留め、フィルムに収めた三歳の少女の姿――結局彼はその後二十年にわたって、少女の成長と人々の暮らし、それを取り巻く社会の変貌を、幾度にもわたる訪問で追い続けることになりました。……ページをめくるごとに、"想い"にあふれた写真と文章とが熱く響きあいながら語りかけてきます。> (本書カバー裏 より)
(左の画像) カバー写真 段ボールの仕切壁からのぞくヘスース、84年
(右の画像) カバー写真 結婚式の日
― 本書 「プロローグ――トウモロコシ畑で」 より ―
<ヘスースが、赤ん坊のジャクリーンを抱き上げ、空に高く差し上げた。ヘスースは十七歳、若い、若いお母さんだ。山間の小さな畑に風がわたり、ふたりの頬をなでていく。青空に掲げられたジャクリーンは、顔をクシャクシャにして笑っている。見つめるヘスースの顔も喜びであふれている。>
<一歳から十七歳までの十六年間を難民キャンプですごしたヘスースが、いまトウモロコシの畑で汗を流している。「緑の中で働くのが好きなの」と、うれしそうに話す。>
<キャンプを出て、農園で新しい生活を始めたヘスース。彼女のかたわらにはジャクリーンと夫のフランシスコがいる。農作業を終え、ジャクリーンを肩車したフランシスコと、鎌と弁当箱の入った籠を下げたヘスースが、山の路をたどる。トウモロコシ畑にはさまれた小路を上り下りしていく幸せそうな後ろ姿に、ぼくはシャッターを切った。>
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