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2010年1月31日 (日)

【読】差別するココロ (1)

少し前から、ずっと気にかかっていることがある。
どのように考えればいいのか、私の中でまだ整理がついていないので、ためらいもあるが……。

きっかけは、吉本隆明さんの 『老いの超え方』 (朝日新聞社・2006年) の中の、ある記述だった。
吉本さんへのインタビュー形式の本だから、ほぼ吉本さんじしんが語ったとおりなのだろう。

Yoshimoto_oinokekata吉本隆明 『老いの超え方』
 朝日新聞社 2006/5/30初版第1刷
 275ページ 1700円(税別)

この本の、「第三部 思想」 「一問一答 その三――思想篇」 174ページ後半からの13行が、出版社によって削除されるという。

朝日新聞出版社
http://publications.asahi.com/news/91.shtml
<弊社で刊行しました吉本隆明著「老いの超え方」の文中に差別につながる不適切な表現がありました。単行本(2006年5月刊)174ページから175ページ、文庫本(2009年8月刊)199ページから200ページの「――楽しい知識ですか…」から「関心を持ちますね。」までを削除します。文庫本は、該当部分を削除した新装版を出版します。>

たしかに、「被差別部落」に関して、吉本さんの不用意でどぎつい発言が掲載されている部分だ。
私はこの本を発売直後に読んでいるが、その時に、ちょっとひっかかったことを憶えている。
いま読みかえしてみると、吉本さんの真意がますますわからなくなった。

告発を受けたから削除するだけ、という、出版社のお座なりな処置にも首をかしげる。
語った本人である吉本さんの弁明が聞きたいところだ。


そんなこともあって、このところ 「差別」 に関する本を読み続けている。

Nonaka_shin_sabetsu野中広務・辛 淑玉 『差別と日本人』
 角川書店(角川oneテーマ21)
 2009/6/10発行 210ページ

昨年出版され、ずいぶん話題になった本だ。
気になって購入してあったものを、この機会に読んでみた。
身をもって差別を体験している二人の対談は、私には驚くことばかりだった。
差別、ということに関心を持ち続けてはいたが、私じしん、差別の現実をほとんど知らなかったことを痛切に感じた。
「差別は、いわば暗黙の快楽なのだ。例えば、短絡した若者たちが野宿者を生きる価値のない社会の厄介者とみなし、力を合わせて残忍なやり方で襲撃する時、そこにはある種の享楽が働いているのだ。」(まえがき)という、辛さんの言葉に、ハッとした。
「差別問題」は、差別する側の問題なのだ。


つい先ごろ、朝日新聞夕刊に、こんな連載があった。
朝日を購読していないのだが、先週土曜日にたまたま訪問先の家で読み、全10回連載された記事を切り抜いておいてもらった。

朝日新聞 夕刊 2010年1月19日(火)~29日(金)
 「ニッポン 人・脈・記 差別を越えて (1)~(10)」
  http://www.asahi.com/jinmyakuki/

Asahi_shinbun_20100123_2 
(続く)

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