« 【楽】MOTEL(須藤もん+対馬照) ライブ予定 1~2月 | トップページ | 【楽】セント・ジェームス病院 »

2010年1月22日 (金)

【読】この本がおもしろい

まだ読みおえていないが。
図書館から借りてきた、この本がなかなかおもしろい。

Sakitani_dna崎谷 満 『DNAでたどる日本人10万年の旅』
 ― 多様なヒト・言語・文化はどこから来たのか? ―

昭和堂 2008/1/20初版第1刷
193ページ 2300円(税別)

DNA多型分析という近年の科学的手法をベースに、「日本人」がどこから来て、どのような言語・文化を築いてきたのかを、「学際的な」立場から詳細に論じている。
「ミトコンドリアDNA分析」、「Y染色体分析」といった専門用語がふんだんに使われ、学術的で厳密な文章(出典・論拠の明記、断定の回避)は、読むのがたいへんだが、読みすすむほどに刺激的で興奮してくる。

目次からひろうと、こんな内容。

 第一章 日本列島におけるDNA多様性の貴重さ
 第二章 多様な文明・文化の日本列島への流入
 第三章 日本列島における言語の多様な姿
 第四章 日本列島における多様な民族・文化の共存
 第五章 多様性喪失の圧力に対して

「多様性」という言葉がくりかえし出てくるところに、著者のいちばんの主張があり、この本の主題がある。


<約10万年ほど前に生まれた現生人類は、誕生の地アフリカを後にして全世界へと冒険を重ねて広がっていった。その人類の移動の流れがユーラシア大陸東部に位置する日本列島にも数次にわたって押し寄せてきた。このアフリカから日本列島へいたる長きにわたる人類の移動の歴史について、DNA多型分析という強力な方法により、かつDNAの中に宿されている歴史の直接証拠でもって、今ではその再現がほぼ可能となった。そして日本列島においてルーツを異にする多様なヒト集団が現在でも共存していることが明らかになった(崎谷2005、斎藤2005、中堀2005)>
 (第一章 「日本列島における多様なヒト集団の共存」 P.3 より)


上に引用した文章の末尾、「崎谷2005、斎藤2005、中堀2005」という記述が、論拠となった書物や論文を指すようだ。
巻末に、膨大な参考文献リスト(25ページ!)があり、その中には、赤坂憲雄、網野善彦、梅原猛、沖浦和光、萱野茂、田村すず子、知里真志保、中川裕、福岡イト子、山田秀三、山本多助、といった、私にもなじみのある人たちの著作もずらりと並んでいる。
海外文献も多く、「分子生物学(DNA多型分析)を中心においたヒト集団や文化、言語の多様性の科学的解明という、理系・文系という枠を超えた幅広い学際研究」(巻末 著者略歴より)という著者のスタンスがわかる。

また、著者は、アイヌ文化を高く評価し、かなりの紙数をさいている。
(第三章の「日本列島の諸言語 アイヌ語・日本語・琉球語」、第四章の「アイヌ民族の貴重さ」など)
これも、私にはうれしい。


<ヨーロッパ文明・キリスト教文明とは異なる、オールターナティブな文化・叡智を内包しているアイヌ文化は、21世紀の今日において大きな意義をもつことであろう。そして、このような優れたアイヌ文化が今までこの日本列島に存続してきたこと、これは日本列島に居住するすべての人にとっても非常に貴重な精神的文化遺産である。今後はこのようなアイヌ文化のもつ高い精神性をわれわれ全員の文化的遺産として共有し、アイヌ文化、アイヌ語の最盛・再興に皆が責任をもつことが重要である。21世紀の混沌とした世界を生き残る指針は、何もヨーロッパやアメリカ、さらには発展著しい中国やインドにあるのではなく、われわれの足下にあることを認識する必要がある。>
 (第四章 「アイヌ民族の貴重さ」 P.120 より)


これまで、私が漠然と感じていたさまざまな疑問に応えてくれるこの本。
図書館には返却するが、あらたに購入したいと思う。
(じつは、すでにネットで注文してしまった)

「DNA多型分析」 というものも、すこし勉強してみようかなと思う。
図書館から遺伝子の仕組みに関する入門書も借りていて、並行して読んでいる。
わかってくると、なかなかおもしろいものだ。

『ヒト遺伝子のしくみ』 生田 哲 著
 日本実業出版社 「入門ビジュアルサイエンス」
 1995/11/20  190ページ 1400円(税別)


ネット検索してみると、こんなサイトもあった。

遺伝子検査なら 誰でもわかる遺伝子検査事典
 http://dna.kokoronogohan.com/

|

« 【楽】MOTEL(須藤もん+対馬照) ライブ予定 1~2月 | トップページ | 【楽】セント・ジェームス病院 »

【読】読書日誌」カテゴリの記事

こんな本を読んだ」カテゴリの記事

アイヌ民族・アイヌ語」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/139344/47364829

この記事へのトラックバック一覧です: 【読】この本がおもしろい:

« 【楽】MOTEL(須藤もん+対馬照) ライブ予定 1~2月 | トップページ | 【楽】セント・ジェームス病院 »