【読】人類、みな兄弟
『5万年前 このとき人類の壮大な旅が始まった』
(ニコラス・ウェイド著/イースト・プレス)
ようやく読了。
いまひとつ、ぴんと来ない本だったが、興味ぶかいことがいろいろ書いてあった。
たとえば、南米のヤマノミ族。
(関野吉晴さんの「グレートジャーニー」に登場する、南米大陸の熱帯雨林に住む部族民)
あるいは、タンザニアのゴンベで野生チンパンジーの研究をしている、ジェーン・グドール。
(星野道夫さんの 『アフリカ旅日記 ゴンベの森へ』 に登場)
部分部分では面白いところがたくさんあるのに、情報量が多すぎ、論旨がすんなりと伝わって来ないところが、読んでいて歯がゆかった。
一週間かかって、意地で読み通したようなものだ。
他人にはあまりおすすめできない。
続いて読みはじめたこの本が、とてもわかりやすく、内容もしっかりしていて、かつ面白い。
馬場悠男 (ばば・ひさお)
『ホモ・サピエンスはどこから来たか』
KAWADE夢新書 2000/8/1初版発行
207ページ 667円(税別)
関野吉晴さんの対談集 『グレートジャーニー 1993~2007』 に馬場さんとの対談が載っていて、この本が紹介されていたことが、読もうと思ったきっかけ。
馬場さんは、現代人の起源について「二地域起源説・進化説」(アフリカとアジアに拡散した原人がそれぞれの地域で独自に新人へと進化、現代人が生まれた、という説)を唱えていたが、この対談の時点(2000年)では、「一地域起源説」(アフリカ起源説)の立場をとるようになった。
背景には、1980年頃から人類学に導入された遺伝子科学の成果がある。
馬場さんの専門は「比較解剖学」というものらしい。
国立科学博物館のサイト http://www.kahaku.go.jp/ より
http://research.kahaku.go.jp/department/anth/1/baba/
馬場悠男
サイエンティスト・ライブラリー http://www.brh.co.jp/s_library/ より
http://www.brh.co.jp/s_library/j_site/scientist/baba_h/index.html
今日読んだ「前書き」に、痛快な一節があった。
いいなあ、こういうの。
<遺伝子研究は、現代人のルーツはすべて、アフリカに住んでいた20万年前の一人の女性に行き着くことを明らかにした。 この女性をミトコンドリア・イヴと呼んでいる。 現代人はこのイヴを共通の祖先にもつ親戚というか、仲間なのだ。 まさに、人類、みな兄弟ということになる。> (本書 P.6 前書き より)
どうせ読むなら、読みやすくて楽しい本がいい。
(左) 星野道夫
『アフリカ旅日記 ゴンベの森へ』
メディアファクトリー 1999年
(右) 関野吉晴 対談集
『グレートジャーニー 1993~2007』
東海大学出版会 2007年
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