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2010年1月 8日 (金)

【読】年越しの一冊

年末の28日から今日まで、10日かかってようやく読みおえた。
8ポイント(たぶん)、二段組み、活字の量が多い本だった。

Funado_kourin_no_mure船戸与一 『降臨の群れ』
 集英社 2004/6/30発行
 493ページ 1900円(税別)

『小説すばる』誌 2002年9月号~2004年1月号連載の基本稿に若干の加筆。
現代のインドネシアが舞台だ。
主要な主人公が四人登場する。
日本人で養殖海老技術者の笹沢浩平、イスラム教徒のシャキブ・サスチオン、カトリック教徒で華人のロバート・コファン、プロテスタントでキリスト教徒防衛軍のサイラス・ディサフ。
日本人以外は名前が憶えられず、ずいぶん難儀したものだ。

キリスト教徒(プロテスタント)とイスラム教徒の根強い反目、憎みあい。
国内の独立運動を抑えこもうとする軍部。
インドネシア軍の情報将校やCIA要員の暗躍。
これらすべてが、生々しい現実感をもって迫ってくる。
「ストーリーはフィクションだが、状況は現実のものである」という、筆者・船戸与一の言葉に納得する。
読み応えのある力作だった。

インドネシア、フィリピン、ベトナム、タイ、カンボジア、ミャンマー(ビルマ)。
このあたりは、今も揺れ動いているし、日本との関係も深いのに、あんがい知らないことの多いのに気づかされる。

まえから気になっていた、鶴見良行さんや村井吉敬さんの本を読んでみようかな、という気になる。
(難しくて気楽に読めそうもないため、なかなか手がでないのだけれど)

この小説の巻末「参考文献」にも、村井吉敬・鶴見良行編著 『エビの向こうにアジアが見える』 (学陽書房)、村井吉敬著 『エビと日本人』(岩波書店)という書名がみられる。


(左から)
鶴見良行 『ナマコの眼』 (ちくま学芸文庫) 1993年
鶴見良行 『バナナと日本人』 (岩波新書) 1982年
村井吉敬 『エビと日本人』 (岩波新書) 1988年
鶴見良行 『東南アジアを知る』 (岩波新書) 1995年
鶴見良行 『アジアからの直言』 (講談社現代新書) 1974年

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コメント

知人が2年ほど、インドネシアの会社に出向していたのですが、初日に空港から誘拐されました。迎えにきた車の運転手がそもそもスパイだったとか。その日のうちに身代金を会社が払って開放されたそうです。二年間、ゴルフ場くらいしか行けなく、一人歩きは、とてもできなかったそうです。なんか、アクチュアルですね。
 新年おめでとうございます!
  今年も、どうぞ、よろしゅう、お頼みします!

投稿: みやこ | 2010年1月10日 (日) 11時38分

> みやこさん
あらためて、今年もよろしくお願いします。

お知り合いの体験は、生々しいお話ですね。
このところ船戸小説の世界にどっぷりと浸かっていますが、世界の紛争地帯の様子がよくわかります。私の知らないことが多いのに驚きつつ。

投稿: やまおじさん | 2010年1月10日 (日) 14時44分

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