【楽】日曜日の昼下りに聴くジャズ
今日は曇り空で肌寒い日曜日。
古いレコードを引っぱりだして聴いている。
村上春樹さんの 『ポートレイト・イン・ジャズ』 (新潮文庫)を読んで、ひさしぶりに聴いてみようと思ったのだ。THE MODERN JAZZ QUATET
CONCORDE
PRESTIGE LP 7005
Recorded July, 2, 1955, New York
MILT JACKSON, vibes
JOHN LEWIS, piano
PERCY HEATH, bass
CONNIE KAY, drums
オリジナル・ジャケットではないのが残念。
私が持っているのは、1979年発売の日本盤だ。
(村上春樹さんの本、文庫版191ページにオリジナル・ジャケットの写真が載っている)村上春樹 『ポートレイト・イン・ジャズ』
新潮文庫 1994年
MJQについて、村上さんは、なかなか面白いことを書いている。
<逆説的な言い方になるが、MJQのユニットとしての強力さは、そのユニットとしての破綻性の中にある。これは彼らの演奏を実際にステージで見ると、情景的によくわかる。ほかの三人は設定されたコレクティブなサウンドをしっかり維持しているのだが、ヴァイブのミルト・ジャクソンはソロの途中でそういうフォーマルなスタイルに我慢しきれなくなって、がばっとスーツを脱ぎ捨て、ネクタイをむしりとって――もちろん比喩的な意味でだが――やおら個人的にスイングし始める。……>
そうは言っても、このアルバムの演奏はまだ、お行儀がいい(よすぎる)と私は思う。
ミルト・ジャクソンらしさがでているアルバムは、なんと言ってもこれだろう。MILT JACKSON
PLENTY, PLENTY SOUL
ATLANTIC SD-1269
Recorded Jan, 5 and 7, 1957, New York
ミルト・ジャクソンのリーダー・アルバムで、ホーン楽器を加えた大編成、及び六重奏団の生きのいい演奏。
タイトルどおり、ソウルフルな内容だ。
ベースとドラムスはMJQのパーシー・ヒースとコニー・ケイが参加しているが、ピアノはホレス・シルヴァーだ。
ジョン・ルイスのお上品なピアノとは、たいそうなちがいがある。
アルト・サックスのキャノンボール・アダレイが、ロニー・ピーターズという変名で参加している(レコード会社との契約で本名を名乗れなかったのだろう。よくあるケースだ)。
A面に針を落とし、一曲目のアルバム・タイトル曲 「プレンティ・プレンティ・ソウル」 の冒頭が聴こえてきた瞬間、うれしくなる。
B面一曲目(サーモネット Sermonette:「短い説教」の意)と、二曲目(ザ・スピリット・フィール The Spirit-Feel)が軽快でゴキゲン。いずれも、ミルト・ジャクソンの作品。
ジョン・ルイスのリーダー・アルバムで私が持っているものでは、これが好きだ。
(というか、これ一枚しか持っていないが)JOHN LEWIS
GRAND ENCOUNTER
: 2 DEGREES EAST - 3 DEGREES WEST
Pacific Jazz (東芝EMI) TOCJ-5348
Recorded Feb, 10, 1956, L.A.
JOHN LEWIS, piano
BILL PERKINS, tenor sax
JIM HALL, guitar
PERCY HEATH, bass
CHICO HAMILTON, drums
洒落たタイトルが意味するのは、東西両海岸のミュージシャンの出会い。
東海岸(EAST COAST)から二人、西海岸(WEST COAST)から三人が参加している。
LOVE ME OR LEAVE ME, I CAN'T GET STARTEDE, EASY LIVING といったスタンダード曲が5曲と、ジョン・ルイスのオリジナル曲(アルバム・タイトルと同名)が1曲。
ビル・パーキンスのテナー(レスター・ヤング張りの演奏スタイル)と、ジム・ホールのギターがいい。
チコ・ハミルトンのドラムスも面白い。
上品で「白っぽい」演奏だが、くつろいで聴くことができ、好感がもてる。
ジョン・ルイスのいい面がでているのだろう。
このCDの日本語ライナーノーツ(久保田高司)を読むともなく眺めていたら、ジョン・ルイスの経歴として、「1950~51年をレスタ・ヤング・カルテットのサイドマンとして過ごしている」 とあった。
知らなかったなあ。ちょっとびっくり。
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