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2010年5月26日 (水)

【読】読了、勢古さんの新書

このところ、こればっかりだが……。
手もとにたまっていた勢古浩爾さんの新書のうち、まだ読んでいなかった最後の一冊を読んだ。

Seko_jibunbaka『日本を滅ぼす「自分バカ」』 勢古浩爾
 PHP新書 2009/5/1発行
 275ページ 740円

タイトルはどぎついが、内容はいい。
勢古さんの近刊のなかでは、筋が通っていて読み応えがあった。

私は知らなかったが、こんな写真のことが紹介されていて、感銘をうけた。
2008年8月7日 NHKで放映された 「解かれた封印――米軍カメラマンが見たNAGASAKI」 という番組で、ジョー・オダネルという当時23歳の従軍カメラマンが撮影した一枚の写真のことを、勢古さんは知ったという。
「焼き場に立つ少年」 という写真だ。

<場所は長崎である。川岸に浅い穴が掘られ、そこが焼き場だ。「白い大きなマスクをつけた係員」が荷車に積まれて運ばれてくる死体を穴の中に投げ入れている。/そのときである。……>

以下、ジョー・オダネル 『トランクの中の日本――米従軍カメラマンの非公式記録』(小学館) からの引用が続く。
概略、こういう内容だ。 (本書 P.269-)

焼き場に10歳くらいの少年がやってきた。
小さな体はやせ細り、ぼろぼろの服を着てはだしだった。
背中には二歳にもならない幼い男の子がくくりつけられていた。
少年は焼き場のふちまで進むと、そこで立ち止まり、係員が背中の幼児を下ろして足元の燃えさかる火の上に乗せた。
少年は背筋を伸ばし、気を付けの姿勢で、じっと前方を見つづけた。
一度も焼かれる弟に目を落とさず、軍人顔負けの見事な直立不動の姿勢のままだった。


勢古さんは、「わたしはすべてにおいて、この少年に負けているのだった」 と語る。

<そして負けているのは、わたしだけではない。もちろん、そんなことをいってもなんにもならない。だがいっさいの感情を押し込めた少年の表情と健気な姿勢には、戦後日本が束になっても太刀打ちできない、もっとも人間らし人間の姿がある。……> (P.271-)



【e-honサイトより】
『トランクの中の日本 米従軍カメラマンの非公式記録 J・オダネル写真集』
ジョー・オダネル/写真 ジェニファー・オルドリッチ/聞き書き 〔平岡豊子/訳〕
http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000019533086&Action_id=121&Sza_id=E1

[要旨]
1990年からアメリカで、ついで1992年から日本各地で彼の写真展は開催され、話題を集める。しかし、この夏に予定されていたワシントンのスミソニアン博物館での原爆写真展は、すでに報道されたように在郷軍人の圧力でキャンセルされた。ここにおさめられた57点の写真は、スミソニアンではついに展示されなかった真実の記録である。
[目次]
戦争は終わった!そして日本へ。;「君の任務は上陸の模様をカメラにおさめることだ」;水平線に蟻のような黒い点々が現れ始めた。;あたりの空気はこげ臭く、空は淡い灰色にもやっていた。;その晩、招待を受けて市長宅を訪れた。;おもしろそうなものを見つけてはシャッターを切った。;「墜落した飛行士も気の毒な死者のひとりですよ」;福岡の海兵隊の新しい司令部ができることになった。;奇妙な老人の言葉を忘れずに。;なんとか現像してみよう。〔ほか〕

【Amazonサイトより】
『Japan 1945: A U.s. Marine's Photographs from Ground Zero
 - ペーパーバック (2008/4/28) Joe O'Donnell』
http://www.amazon.co.jp/s?_encoding=UTF8&search-alias=books-us&field-author=Joe%20O%27Donnell


洋書の方は私には読めなそうもないが、邦訳は読んでみたいと思う。
あいにく、図書館には置いていない。
うーん、またもやe-honサイトでボタンをクリックか。

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