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2010年5月18日 (火)

【楽】【読】村上春樹さんとジャズ

私の愛読書 『ポートレイト・イン・ジャズ』 (和田誠/村上春樹、新潮文庫) のCD版があることを知り、入手してさっそく聴いてみた。

Portrait_in_jazz2『ポートレイト・イン・ジャズ』
 和田誠/村上春樹
 新潮文庫 2004年
 本文341ページ 781円(税別)
単行本(新潮社刊 1997年・2001年)二冊をまとめたもの

表紙は、ビックス・バイダーベック(Bix Beiderbecke、コルネット奏者)。
和田誠さんの絵がいい。
チェット・ベイカーにはじまり、ギル・エヴァンスまで、55人のジャズ・ミュージシャンの似顔絵(和田誠)と、村上春樹さんの文章から構成されており、村上さんの推薦盤がモノクロ写真で紹介されている、洒落た本だ。
ジャズ入門書としてもすぐれた一冊。

Portrait_in_jazz_1_2Portrait_in_jazz_2

ポートレイト・イン・ジャズ 和田誠・村上春樹セレクション

 Sony Records SRCS 8680
 1998年 2400円(税別)
 http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005681R

 ※ これとは別に、「ポリドール編」のCDもでている
  http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005681S


すてきなジャケットにもなっているビリー・ホリデイの歌が2曲、ビックス・バイダーベックの演奏が2曲、その他、ベニー・グッドマン、ジェリー・マリガン、デクスター・ゴードン、チュー・ベリー、ルイ・アームストロング、チャーリー・クリスチャン、マイルズ・デイヴィスらの演奏が収録されている。
村上さんらしいセンスが感じられる選曲だ。

おそらく版権の制約だと思われるが、CBSソニー系の音源ばかり。
ビリー・ホリデイの演奏はもちろんいいのだが、マイルズ・デイヴィス――村上さんは、マイル・デイスではなくマイル・デイィスと書く。この方が正しい発音だろう。文筆家らしいこだわりか――の「ウォーキン Walkin'」、それも、『フォア・アンド・モア ‘FOUR’ & MORE』 に収録されているライヴ録音を選んでいるのが、興味ぶかい。

Milles Davis (tp), Herbie Hancock (piano), George Coleman (tenor sax), Ron Carter (bass), Tony Williams (drums)
1964年2月12日
ニューヨーク リンカーン・センター 「フィルハーモニック・ホール」 実況録音

私もこのレコードを持っているが、どちらかというとプレステッジ盤のゆったりとしたテンポの 「ウォーキン」 を好んで聴いていた。
いまあらためて、『フォア・アンド・モア』 の演奏を聴いてみると、これがすごい演奏なのだ。

<『フォア・アンド・モア』の中でのマイルズの演奏は、深く痛烈である。彼の設定したテンポは異様なばかりに速く、ほとんど喧嘩腰と言ってもいいくらいだ。トニー・ウィリアムズの刻む、白い三日月のように怜悧なリズムを背景に受けながら、マイルズはその魔術の楔を、空間の目につく限りの隙間に容赦なくたたき込んでいく。……>
(村上春樹 『ポートレイトイン・ジャズ』 新潮文庫 P.105)

マイルズとトニー・ウィリアムズの演奏もすごいが、村上さんのこの文章もすごい。

(長くなりそうなので、次の記事へ続く)

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コメント

もちろん、隠れ村上ファンの私は、本も、2枚のCDも持っております。
またじっくり聴いてみたくなりました。

投稿: モネ | 2010年5月19日 (水) 23時05分

>モネさん
さすがですね。
村上春樹さんのジャズの選曲眼は信頼しています。

投稿: やまおじさん | 2010年5月20日 (木) 05時54分

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