【楽】【読】村上春樹さんとジャズ (続)
村上春樹さんが選曲したCD 「ポートレイト・イン・ジャズ」 の話の続き。
このCDのブックレットに、村上さんのエッセイが5ページにわたって載っている。
とても興味ぶかく、いい文章なのでさわりを紹介したい。
村上春樹ファンなら、このブックレットの文章を読むためだけに買っていいCDかもしれない。なんちゃって。
「雨の夜のビリー・ホリデイ」 村上春樹
<ときどき若い人から「ジャズってどういう音楽なんですか?」という質問を受けることがある。でもそういう風に唐突に、まるでコンクリート壁にゴム粘土をぶっつけるような訊き方をされても、とても困る。……>
<たとえばビリー・ホリデイの歌はもちろん、ずぶずぶにジャズだけれど、それを映画のためにダイアナ・ロスがそのままコピーしたものは、どうしてもジャズとは呼べない。しかしその決定的とも言える違いを言葉で表現するのは至難の業である。>
<でも僕は文章を生業としている人間なので、「そんなこと説明したってわかるものじゃない。何でもいいからジャズのCDを10枚くらいじっくりと聴いて、それからもう一回出直してきなさい」というような言辞は簡単に口にできない。……>
このように前置きしてから、村上さんが語るエピソードが続く。
よく知られているように、村上さんは若い頃(二十代のなかば頃)、「東京都国分寺市の南口にある小さなビルの地下でジャズ・バーを経営していた」。
村上さんの店に来ていた黒人米兵のエピソードだが、ここには書かない。
このブックレットの文章は、最後にこう結ばれている。(太字は原文のまま)
<「ジャズとはどういう音楽なんですか?」と誰かに訊かれたら、僕はこの話をして、「そういうのがジャズなんだよ」と答えるしかない。……>
【参考サイト】
東京紅團(東京紅団) http://www.tokyo-kurenaidan.com/ 内
村上春樹の世界を歩く(国分寺を歩く)
http://www.tokyo-kurenaidan.com/haruki-kokubunji1.htm
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