【読】読了 関野吉晴 「グレートジャーニー」 角川文庫全5冊
ようやく、読了。
文庫本5冊を読みおえるのに、ずいぶん日数がかかった。関野吉晴
『グレートジャーニー 人類5万キロの旅』
1~5
角川文庫
2010/1/25~5/25
1~4巻 629円、5巻 667円(税別)
1 嵐の大地パタゴニアからチチカカ湖へ
2 灼熱の赤道直下から白夜のアラスカへ
3 ベーリング海峡横断、ツンドラを犬ゾリで駆ける
4 厳寒のツンドラ、モンゴル運命の少女との出会い
5 聖なるチベットから、人類発祥の地アフリカへ
「グレートジャーニー」 と名づけられた関野さんの旅。
キーワードというか、モチーフとなった言葉がある。
我々は何処から来たのか
我々は何者か
我々は何処へ行くのか
第5巻 船戸与一氏の解説によると――
<このアドベンチャーの情熱を支えた根源について付記しておきたい。 はじまりはゴーギャンの一幅の絵画だ。 それにはこう銘打たれている。 「我々は何処から来たのか 我々は何者か 我々は何処へ行くのか」。 このフレーズが関野吉晴のこころを捉えて離れない。 イギリスで発表された人類発祥発達史に関する学説は彼にとってこの質問に答えるためのひとつだったろう。>
<他書で関野吉晴は記している。 「大昔の人々が感じた暑さ、寒さ、風、匂い、埃、雨、雪に触れ、身体で感じながらゆっくり進みたい」 そして、「アマゾンとかオリノコで石器時代と同じような生活をしている人たちと何年かも付き合っているが、彼らも自分たちが何処から来たのかという疑問は常に持っている。 それには神話、民話、伝説という形で答えを出している民族が多い」 という感触を得る。 南米体験とゴーギャンの絵画。 この結びつきが足かけ十年の歳月をかけた旅路へと向かわせたのである。>
(角川文庫 『グレートジャーニー 5』 巻末解説 船戸与一)
孫引きで申しわけないが、船戸さんのこの解説は的確だ。
現代において「冒険」と呼べる行為は可能なのか、と私などは思うのだが、なんと名づけてもかまわない。
関野さんのこのプロジェクトは、前人未到のものだ。
第4巻、モンゴルの草原に生きる少女「プージェ」との出会い、第5巻、ネパールの少年「ギャルゼン」との出会い。
このふたつが、私にはとても感動的なエピソードだった。
この先もずっと、関野さんの著作を追っていくだろう。
関野吉晴 せきのよしはる
1949年東京都生まれ。 一橋大学法学部、横浜市立大学医学部卒業。 93年から、あしかけ10年をかけ 「グレートジャーニー」 を踏破した。 2004年から 「新グレートジャーニー 日本列島にやって来た人々」 をスタート。 99年、植村直已冒険賞受賞。 現在、武蔵野美術大学教授(文化人類学)。
(角川文庫 『グレートジャーニー 5』 著者略歴)
ゴーギャンの絵が帯に使われている、毎日新聞社発行の関野さんの本。関野吉晴
『グレートジャーニー全記録』
全2巻
毎日新聞社 2006年
各3800円(税別)
I 移動編 我々は何処から来たのか
II 寄道編 我々は何処に行くのか
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コメント
ゴーギャンの絵のタイトルとなっているこの言葉、非常に気になる言葉です。関野さんの旅の記録、私も読み始めています。
投稿: 玄柊 | 2010年8月 8日 (日) 18時01分
>玄柊さん
そうでしたか、玄柊さんも読み始めましたか。
私よりちょっとだけ先輩の関野さん。
武蔵野美術大学(近所です)で教鞭をとっていらっしゃるということにも、親しみをおぼえます。
(姪がこの大学の学生で、学園祭にも行ったことがあります)
投稿: やまおじさん | 2010年8月 8日 (日) 18時21分