【読】さすがだね、みゆきさん(続)
長い小説を読みおえた。宮部みゆき 『小暮写眞館』
講談社 2010年5月15日発行
716ページ 1900円(税別)
第一話 小暮写眞館
第二話 世界の縁側
第三話 カモメの名前
第四話 鉄路の春
さすが、みゆきさん。
最後まで飽きることなく、いっきに読むことができた。
ストーリー展開が徐々にスピードをあげ、大団円ですーっと幕をおろす。
この展開のうまさは、宮部みゆきさんならでは。
こういう小説を、上質の「読み物」という。
どんなに面白い小説でも、どこかに「ほころび」というか、破綻の見えることが多いものだが、この小説――に限らず、宮部作品のほとんどすべて――にはそれがない。
ちょっとひっかかったことといえば(重箱の隅をつつくようで気がひけるが) ――
高校の吹奏楽部の打楽器群を指して、「リズムセッション」(正しくは、リズムセクションだろう)と、二度にわたって書いているところと、パソコンのマウスポインター(ピカチュウの)を、「カーソル」と呼んでいるところ。
―― この二ヶ所だが、宮部さんのことだから(私はこのひとのファンだから)、笑って許してあげるのだ。
宮部さんはパソコンではなくワープロ(専用機)を使って原稿を書く、と聞いたことがある。
たしかに、ワープロなら「カーソル」だ。
こういう、できのいい小説を読んだあと、何を読もうかとしばらく悩んでしまう。
つぎは何を読もうかなあ。
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