【読】グレートジャーニー 縦糸と横糸
関野吉晴さん 『グレートジャーニー 5』 のあとがきに、興味ぶかいことが書いてあった。関野吉晴 『グレートジャーニー 5』 (角川文庫) あとがきより。
わかりやすく、言いたいことがストレートに伝わってくるいい文章なので、引用してみる。
<この旅では、一枚の布を織る気持ちで歩き、駆け、漕いでいた。 布を織るには縦糸と横糸が必要だ。 縦糸は南米からアフリカまで、自分の腕力と脚力だけで一本の線で結ぶこと、そして横糸は寄り道だ。 気に入った村とか、素敵な人、雄大な自然に出会ったらしばらく立ち止まる。 寄り道にかなりの時間をかけた。 寄り道には様々な気づきがあるからだ。 縦糸には達成感がある。 それでは、でき上がった布は何か。 それは社会、世界を見る目の変化、それに揺さぶられて変わった自分自身だろう。 そして難問 「我々は何処から来たのか 我々は何者か 我々は何処へ行くのか」 への自分なりの答えだろう。 難問はやはり簡単には解けない。 一生の宿題になるだろう。>
関野さんと周辺の人々が企画し、なしとげた壮大な旅。
その記録が私たち読者を強くとらえるのは、このような 「寄り道」 による旅の厚みと深みによるものだろう。
五冊の文庫本を読みおえて、地球の大きさといったものを実感した。
この地球には、こんなに様々な人々が暮らしているのか、という感慨――。
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コメント
毎日新聞社刊のグレートジャーニー『全記録』2巻と写真集7巻それに星野道夫著作集さらにジェーン・グードルのDVDを図書館に発見して暑さを忘れ読みふっけっていました。それにしても関野さんの体力と意志の強さには驚かされます。幸運にも恵まれていますよね、本人も自認されていますが。卑俗な現実を忘れる一ヶ月でした。
投稿: みやこ | 2010年8月 9日 (月) 09時06分
>みやこさん
おお、ずいぶんたくさん読みましたね。
関野吉晴さんは、見かけによらずタフな人ですね。
幸運というか、強運というか、たしかにそういう面も感じます。
投稿: やまおじさん | 2010年8月 9日 (月) 20時23分