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2010年9月11日 (土)

【読】船戸与一 「金門島流離譚」

船戸与一の比較的最近の小説を続けて読んでいる。
手もとに置いてあって、なかなか読めなかった一冊。


Funado_kinmontou船戸与一 『金門島流離譚』
 毎日新聞社 2004年発行
 487ページ 1800円(税別)

― 帯より ―
いまだ中国・台湾間で帰属の曖昧な、現代史の生んだ“空白の島”金門島。
藤堂義春は、日本を離れ、金門島と台北を拠点に偽造品ビジネスに手を染めていた。
ある日、突然のように藤堂の周りに事件が起きはじめ、それは藤堂の知人を次々に巻きこみ、ついには藤堂へと絡みついていく。
次第に明らかになる、藤堂の抱える「ある事情」。
事件は、いったいなぜ起きたのか……。
表題作の他、台湾・瑞芳鎮を舞台にした『瑞芳霧雨情話』を収録。


息もつかせぬ展開。
みごとな船戸ワールドに酔った。

収録されている二作とも、日本人が主人公。
船戸作品のこの手の現代もの(舞台が日本国内かその近辺)は、これまで敬遠していた。
長いこと本棚で眠っていたのも、それが理由だった。

ところがどっこい。
船戸与一の筆力は衰えていない。

直木賞受賞作 『虹の谷の五月』 以後の船戸作品を、Wikipediaから拾ってみた。

虹の谷の五月 集英社 2000.5 のち文庫
新宿・夏の死 文藝春秋 2001.5 のち文庫
緋色の時代 Kpachoe bpemя 小学館 2002.1 のち文庫、徳間文庫
夢は荒れ地を 文藝春秋 2003.6 のち文庫
三都物語 新潮社 2003.9 のち文庫
金門島流離譚 毎日新聞社 2004.3 (Asia noir) のち新潮文庫
降臨の群れ 集英社 2004.6 のち文庫
蝶舞う館 講談社 2005.10 のち文庫
河畔に標なく 集英社 2006.3 のち文庫
満州国演義 1-5 新潮社 2007-2009
藪枯らし純次 徳間書店, 2008.1
「満州国演義」に見る中国大陸 あるむ 2008(愛知大学東亜同文書院ブックレット)
夜来香(イエライシャン)海峡 講談社 2009.5
新・雨月 戊辰戦役朧夜話 徳間書店 2010.2

この中で私が読んでいないのは、『夜来香(イエライシャン)海峡』 一冊だけとなった。
この際、ついでに読んでしまおうと思う。
これも私の本棚に待機させていた一冊。

それにしても、未完の大作 『満州国演義』 の続編が待たれる。
船戸さんの体調についてよくない噂を聞いているだけに、心配だ。


Funado_yelaixiang船戸与一 『夜来香(イエライシャン)海峡』
  講談社 2009年発行
 429ページ 1800円(税別)










― Wikipediaより ―
金門県
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%87%91%E9%96%80%E7%9C%8C
金門県(きんもんけん)は台湾が実効支配する県。台湾語ではKim-mn̂g(キンムン)と発音される。
歴史的に中国福建に属し、現在、中華民国の「福建省政府」が置かれ、行政区分上は泉州晋江市の管轄となっている。
九龍江口や廈門湾口を望む大金門島、小金門島および大胆島や二胆島など12個の島から構成される。総面積は150.3397平方キロメートルである(代理管轄の烏坵鄉を含まず)。中華人民共和国側の厦門市とは海を隔てて接する。中華人民共和国支配地域とは最小2.1kmしか離れておらず、国共内戦期間中は最前線となった。……

かつては鄭成功による反清復明の抵抗の拠点にもなった。中国国民党が台湾島へ移って以降は馬祖島とともに中華民国軍の軍事的拠点となり、1956年より軍政が敷かれ、一般観光客の出入りは厳しく制限されていた。1958年には対岸の中国軍(中国共産党)との間で激しい砲撃戦による金門砲戦が発生し、多数の死傷者を出したものの中華民国陸軍は金門島の防衛に成功している。
1992年11月7日の戒厳令解除後は、三通政策の影響もあり、多くの観光客が訪れる島となっている。1995年には同国6番目の国立公園・金門国家公園に指定された。……

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コメント

やまおじさん様
『新・雨月』 戊辰戦役朧夜話、一気に読みました。
次から次へと登場する人物の多くが明治に活躍するのに、作者は触れない。自分だったら(のち○○○)とか知ったかぶりするだろうなあ・・・さっぱりしていいけど勿体ないような。
 所が心配ご無用ちゃんと終章に書かれていた。それも分かり易く親切に分類してあり、いろいろ勉強になった。
 しばらく船戸与一作品にはまりそう。『終わらざる夏』も読みたいし、読書の秋来るだ。

投稿: けやき | 2010年9月12日 (日) 22時08分

>けやきさん
船戸さんの小説はどれも、もちろんフィクションではありますが、フィクションでしか語れない「真実」があると思います。
維新の大物たち(のちの明治の元勲)を美化していないところがいいですね。

船戸作品でしたら『蝦夷地別件』と『満州国演義』(現在5巻目まで刊行)が私のおすすめです。

投稿: やまおじさん | 2010年9月13日 (月) 20時55分

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