【読】勉強になるなあ
このところ、こんな本を読んでいる。
明治からあと、この国が「近代国家」の体裁をととのえるまでのあいだ、いろんなことがあったのだなあ。
私たちが学校で教わらなかったこと、通り一遍の知識しかなかったこと。
知るだけでは不十分だけれど、知るところから始まると思う。
知るは力なり、なんちゃって。松本健一 『日本のナショナリズム』
ちくま新書846 2010年5月発行
187ページ 680円(税別)
『畏るべき昭和天皇』(毎日新聞社)も面白かったが、この新書も読みごたえがあった。
それにしても、マツケン(私が今勝手に名づけた)という人がこんな顔をしていたとは……。ちょっとイメージがくずれてしまった。
今話題の仙石由人氏とお友達だというのも、「ん?」なのだが、素直に読めばこの人の主張には頷けるところも多い。
『北一輝論』(講談社学術文庫)も、そのうち読んでみたいと思う。
― 『日本のナショナリズム』 著者略歴より ―
松本健一(まつもと・けんいち)
1946年群馬県生まれ。東京大学経済学部卒業。麗澤大学教授。評論・評伝・小説など多方面で活躍する。著書に『評伝 北一輝』(全5巻、岩波書店)、『近代アジア精神史の試み』『大川周明』『竹内好論』『開国のかたち』(以上、岩波現代文庫)、『日本の近代1 開国・維新』(中央公論社)、『泥の文明』(新潮選書)、『海岸の歴史』(ミシマ社)、『司馬遼太郎の「場所」』(ちくま文庫)など、共著に『占領下日本』(筑摩書房)などがある。
もうすぐ読み終えようとしている、この本も面白い。山本皓一 『日本人が行けない「日本領土」』
小学館 2007年6月発行
286ページ 1800円(税別)
竹島や尖閣諸島の歴史を知り、勉強になった。
鈴木宗男氏や、安部晋三氏との対談も、面白い。
安部サンはともかく、鈴木宗男サンの主張は、それなりにまっとうである。
いわゆる北方領土に関して、日本はもっとねばり強くロシアと交渉しなければいけない、と私も思う。
鈴木宗男氏の主張は、歯舞諸島と色丹島の「2島先行返還論」で、ロシアが柔軟な姿勢を示しはじめていた時期に、せっかくの好機を逃した、というもの。
たしかに、日本政府の弱腰は情けない。
(そもそも北方四島や千島列島は、日本の領土でもなく、ロシアの領土でもなかった。先住民の暮らす場所だった。北海道と呼ばれるようになった島も同様――というのが私の考えだが、それは措いておく)
しかし、まあ、こういう本ばかりでは疲れるので、次は小説でも読もうかな、と思っている。浅田次郎 『マンチュリアン・リポート』
講談社 2010年9月発行
書き下ろし 303ページ 1500円(税別)
話題の小説で、とても気になっていた。とうとう買ってしまった。
浅田次郎の小説は、『終わらざる夏』しか読んでいないが(『終わらざる夏』には不満もあったのだが)、テーマがテーマなだけに、楽しみにしている。
こうしてみると、「あの戦争」がらみの本ばかり読んでいるなあ。
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