【読】戦場カメラマン
このところ、テレビ番組ですっかり有名になっているのが、「戦場カメラマン 渡部陽一」という人だ。
なにも、お笑い番組にあれほど顔をださなくてもいいのに……と私などは心配するのだが、ご本人はいたって真面目らしい。
「今、世界で起きていることを伝えたい」という彼の出演意図は、わからなくもない。
私はこの人に好感をもっているので、テレビ局の視聴率稼ぎや、いいかげんなマスコミの「道具」に利用されないことを願うばかりだ。
最近見たテレビ番組で、渡部さんがどこかの小学校を訪問し、講演した時のこと。
「戦場カメラマン 渡部陽一です」 という例の自己紹介に大笑い(大受け)する児童たちだったが、スライドを見せられ、戦場の悲惨さを訴える渡部さんの説明が始まると、みるみるうちに真剣な表情に変わっていった彼らの様子がとても印象的だった。
戦場カメラマン 渡部陽一 公式サイト
http://yoichi-watanabe.com/
その渡部陽一氏の写真の師匠として紹介されていたのが、山本皓一氏だった。
渡部さんは、テレビ番組に出演することの是非に迷って、師匠の山本さんに相談したこともあるという。
山本皓一 ...Kouichi YAMAMOTO...Presscom
http://www.presscom.jp/
どこかで聞いた名前だと思いネットで調べてみると、椎名誠氏といっしょに仕事をしているカメラマンだった。
かつて夢中になって読んだ椎名さんの本をおもいだした。
椎名さんの本は、ある時期にほとんど手放してしまったが、最近また読みなおしたくなって、文庫本をいくつか買い直していたところだった。『インドでわしも考えた』
椎名誠/山本皓一
小学館 1984年
(集英社文庫 1988年)
『シベリア追跡』
椎名誠/山本皓一
小学館 1987年
(集英社文庫 1991年)
『熱風大陸 ダーウィンの海をめざして』
椎名誠/山本皓一
講談社 1988年
(講談社文庫 1991年)
『パタゴニア あるいは風とタンポポの物語り』
椎名誠/山本皓一
三五館 1993年
(集英社文庫 1994年)
他にもまだ、椎名・山本コンビの本が出版されていると思う。
その山本皓一氏の本を、日曜日に図書館から借りてきた。
この本は、上のテレビ番組で紹介されていたもの。
サブタイトルが 「北方領土、竹島、尖閣列島、南鳥島、沖ノ鳥島上陸記」 とあり、先ごろ読んでいた西牟田靖さんの写文集と重なる世界だ。
興味ぶかい。『日本人が行けない「日本領土」』
北方領土、竹島、尖閣列島、南鳥島、沖ノ鳥島上陸記
山本皓一
小学館 2007年発行
285ページ 1800円(税別)
― e-honサイトより ―
[要旨]
「ここは本当に日本なのか」。国境の島々を16年間撮り続けた報道写真家による衝撃の上陸体験記とスクープ写真を掲載。安倍晋三対談「国家とは、領土とは何か」を収録。
[目次]
第1部 北方領土―択捉島・国後島(小泉首相の北方領土視察;ゴルバチョフ大統領への「直訴状」 ほか);第2部 竹島(武装警察官に歓声をあげる女性観光客;日本製の観光船が“韓国人を独島に運ぶ”皮肉 ほか);第3部 尖閣諸島(世界でも稀な日本の国境政策;年に一度の上陸チャンス ほか);第4部 南鳥島・沖ノ鳥島(マリンブルーの海に浮かぶ“航空母艦”;島民の病死・離島で無人島に ほか)
| 固定リンク
「【読】読書日誌」カテゴリの記事
- 【読】服部文祥さんの書評本(2022.06.14)
- 【読】2022年5月に読んだ本(読書メーター)(2022.06.01)
- 【読】桐野夏生 萌え!(2022.05.19)
- 【読】2022年4月に読んだ本(読書メーター)(2022.05.01)
- 【読】2022年3月に読んだ本(読書メーター)(2022.04.01)
「こんな本を手に入れた」カテゴリの記事
- 【読】五木さんの桐野夏生評(2022.03.21)
- 【読】今年も総集編(2019年・読書編 -2-)(2019.12.28)
- 【雑】紅梅、ほころぶ(2018.01.10)
- 【歩】小春日和、図書館で過ごす(2017.11.29)
- 【読】ようやく読んだ「火花」(2017.03.17)
「椎名誠」カテゴリの記事
- 【読】The third man factor (サードマン現象)(2013.08.19)
- 【読】炎暑の下、図書館へ(2013.08.17)
- 【読】書評家としての椎名誠(2013.07.25)
- 【読】今日の読書(2013.07.23)
- 【読】ぼくがいま、死について思うこと(椎名誠)(2013.07.21)
コメント
このひと月くらいの間、パソコンに向かう気持ちになれず、今まとめてダァァーっと拝見しました。
やまおじさんが「本を手放す時」とは、どんな時ですか?
狭い我が家も、本棚満杯・・・。
就職が決まった娘は来春から寮生活に。いい機会なのでいろんな物の整理を始めてます。
本棚の前で立ち尽くす私・・。どの本も、買った時の自分を思い出して(笑)どうにも手放せずにいます。
投稿: JAKI | 2010年12月 3日 (金) 10時20分
>JAKIさん
いつもありがとうございます。
私のところも本は増えるいっぽうです。
ときどき思いついて処分はしています。
年に一度のチャリティ古本市に提供したり、ブックオフに持って行ったり……。
大々的に整理するのは引っ越しの時ぐらいですが、減らしたぶん以上にすぐ増えてしまいます。なんともはや。
処分するには思い切りが必要なのですが、自分で買った本には愛着がありますよね。
投稿: やまおじさん | 2010年12月 3日 (金) 20時51分