【読】中川裕さんの新刊
「私たちはあふれるような文字に取り囲まれて暮らしている。現代人が本を読まなくなった、新聞を見なくなったといっても、文字を読まなくなったわけではない。携帯メールでもインターネットでも、やはり文字によるコミュニケーションが、人々をつなぐ大きな力になっている。……」
「文字というのはすべてのことばに対して存在するわけではない。むしろ文字があるのは全体のごく一部でしかない。世界の歴史の中で、文字を使わずに生活してきた人々の数のほうが、文字を使いこなしてきた人よりもはるかに多い。……/どちらが優れているとかいないとかの話ではない。それは違うものなのである。……」
― 中川 裕 『語り合うことばの力 カムイたちと生きる世界』 岩波書店 ―
新聞をほとんど読まない生活をしているが、日曜日の読書欄だけはできるだけ目を通すようにしている。
今日(2010/11/21)の東京新聞読書欄でみつけた記事。
じつは、先日、この本を入手していたので、うれしくなった。
東京新聞 2010/11/21(日) 朝刊 9面 「読書」
『語り合うことばの力 カムイたちと生きる世界』
千葉大教授 中川 裕さん (55)
― 言葉の実を尊重する民 ―
中川 裕
『語り合うことばの力 カムイたちと生きる世界』
岩波書店 2010/9/28発行
231ページ 2300円(税別)
中川裕さんは、『アイヌの物語世界』(平凡社ライブラリー 1997年)や、『アイヌ語をフィールドワークする』(大修館書店 1995年)といった好著で、その名を知った。
この二冊については、私のWEBサイトに書いたことがある。
晴れ時々曇りのち温泉>資料蔵(アイヌ資料)
http://yamaoji-hp.web.infoseek.co.jp/k_ainu.html
『アイヌ語千歳方言辞典』(草風館 1995年)という労作もあり、これも私は無理をして買った(高価な本である)。
今回の新刊、近いうちに読んでみたい。
この人は、信頼できる学者さんであると思う。中川 裕 『アイヌ語 千歳方言 辞典』
草風館 1995年
437ページ 9515円(税別)
萱野茂さんの『アイヌ語辞典』(三省堂)、田村すず子さんの『アイヌ語沙流方言辞典』(草風館)とならんで、現在入手可能なアイヌ語辞典のひとつ。
他に、知里真志保博士の未完のアイヌ語辞典、『知里真志保 分類アイヌ語辞典 全二冊セット』という古典的な名著があるが、いずれも高価。
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