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2010年12月28日 (火)

【読】読了 「中原の虹」(浅田次郎)

三週間かけて、ようやく読みおえた。
四巻。読みごたえがあった。

さんざん誉めておいて今さらなのだが……。
浅田次郎の小説は、読み終えた途端になにかもの足りなさを感じるのは、私だけか。

『マンチュリアン・リポート』 も、Amazonの書評(というか、クチコミ)なんかをみると、けっこう手厳しいものが多い。

それでも、別の小説を読んでみたいと思わせるのは、浅田次郎の小説の「うまさ」かもしれない。
語り口の歯切れがいい。
その一方で、構成に凝りすぎるところが、ちょっと鼻につく。


浅田次郎 『中原の虹』 (一)~(四)
 講談社 2006年~2007年

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しかし、まあ、史実はどうにしろ、登場人物たちのなんと生き生きしていることか。
張作霖、袁世凱、溥儀、西太妃、……歴史上の有名人が、誰もみな、とても魅力的に描かれている。
人間臭くて、いいのだ。

歴史書ではけっしてわからない歴史の「真実」とは、あんがいこういうフィクションに込められているのかもしれない。
ちょうど、船戸与一の 『蝦夷地別件』 のように。


引き続き、満洲に関する本(学者さんの書いたもの)を読んでいる。
書店でたまたま目ついたので買ってみた。

Miyawaki_manshu宮脇淳子 『世界史のなかの満洲帝国と日本』
 ワック 2010/10/28発行
 新書版 280ページ 933円(税別)

http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4898316352

いきなり「自虐史観」などというぶっそうな言葉でてきて、この人は右寄りの人かと心配したが、そうでもない。
いたってニュートラル(中立・不偏不党)な視点から書かれた本のように思う。
(まだ四分の一しか読んでいないけど)

― e-honサイトより ―
[要旨]
「王道楽土」とまで呼ばれた、今はなき満洲帝国―。なぜ日本人は満洲にむかったのか?それは、日本と満洲の関係だけでなく、清朝中国、モンゴル、朝鮮、ロシアそれぞれの思惑と利害を眺めてこそ見えてくる。「歴史に道徳的価値判断を介入させてはいけない。歴史は法廷ではないのである」と語る著者による、歴史学的な位置づけの「満洲」入門書。
[目次]
第1章 満洲とは何か―もともと種族名だった満洲。地名になったのは日本がはじまり;第2章 満洲の地理と古代―中国文明とは「漢字」と「都市」と「皇帝」;第3章 東アジアの民族興亡史―日本人と朝鮮人は、中国から同時に独立した“双子の関係”;第4章 元朝から清朝へ―モンゴル人の元朝、満洲人の清朝による中国の支配;第5章 ロシアの南進と日露関係―ロシアが奪うアムール北岸と沿海州;第6章 日本の大陸進出 日清・日露戦争―近代化できない清国・朝鮮にロシアの触手が…;第7章 日露戦争後の満洲と当時の国際情勢―欧米列強が承認、南満洲と韓国という日本の勢力圏;第8章 満洲帝国の成立―ソ連の謀略と中国の排日運動、満蒙権益を守るための満洲建国;第9章 日本史のなかの満洲―官・民あげて満洲投資、最大二百二十万人の日本人が満洲に;第10章 日本敗戦後の満洲―満洲帝国の“遺産”が現代中国をつくった

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