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2010年12月 9日 (木)

【読】第二巻へ(浅田次郎「中原の虹」)

浅田次郎という作家は、さすがだ。感心した。

Asada_chugen_niji_2_3浅田次郎 『中原の虹』(二)
 講談社 2006/11/1発行
 371ページ 1600円(税別)

この先がいよいよ楽しみだ。

第一巻のおわり、感動的な場面があった。
張作霖(チャンヅオリン)の手下のひとりが、昔別れた妻を殺さなければいけない羽目におちいった。
なぜなら、八年前に別れてからずっと行方の知れなかった妻と再会できたとき、彼女は敵対する馬賊の一員になっていたから。
その男(馬占山=秀芳 シウフアン)のせりふ。

<別れてから八年の間、ずっと考え続けていた。俺は命知らずの馬賊だけれど、賛賛(ツアンツアン)は俺の命だった。かけがえのない命は、俺のこの命じゃなくって、賛賛だった。>

<俺はもう神も仏も信じねえ。観音様も文殊菩薩も、太上老君も孔夫子も関帝様も、くそくらえだ。/信じられるのは人間だけだと、俺はあのとき思い知らされた。神仏のひどいいたずらを、あんたは体を張って被い隠そうとした。>

<なあ、雷哥(レイコオ)。あんたはあんな芝居が、白虎張(=張作霖)に通用すると思ったか。たぶん自信はなかったろう。だとすると、あんたはてめえがぶち殺されるのを覚悟で、賛賛の命を助けようとしたことになる。/たしかに神仏は信じられねえ。だが、人間は信じられると、俺はあのとき初めて思い知ったんだ。……>

「信じられるのは人間だけだ」 ―― ひさしぶりに温かい言葉に出会って、電車の中で読みながら涙が出そうになった。

さて、明日からはいよいよ二巻目だ。
『マンチュリアン・リポート』 で馴染みのある、李春雲(リイチュンユン=春児 チュンル)や、日本軍の少尉・吉永将(よしなが・まさる)、新聞記者の岡 圭之介といった面々が、はやくも登場。
面白くなってきたぞ。


【2010/12/12追記】
参考サイト 「中原の虹」特集 (講談社のサイト)
講談社BOOK倶楽部:中原の虹
http://shop.kodansha.jp/bc/books/topics/chugen/index.html

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