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2011年4月13日 (水)

【読】【震】東京に原発を!

広瀬隆さんの本 『東京に原発を!』(集英社文庫・1986年)を、持っていた。
全部読んだかどうか記憶にないが、今は手元にない。

「それほど安全だというなら、東京に建てたらどうなのだ!」という警鐘は、当時、冷やかな眼で見られていたように思う。
今こそ、「東京に原発を!」と言いたい。
誰一人として、賛成する人はいないだろう。

今日、たまたま書店でみつけて購入した、広瀬さんの本。

広瀬 隆 『原子炉時限爆弾 大地震におびえる日本列島』
 ダイヤモンド社
 2010年8月26日 第1刷/2011年4月5日 第3刷

ショッキングなタイトルだが、読んでみようと思う。

事態は重大で深刻である。
政府は今頃になって「レベル7」などと言いだしたが、新聞等で報道されている福島第一原発の写真を見れば、子どもにでもわかるはずだ。
防御壁となるべき「建屋」が、いまや見る影もない。
運転停止したはずの原子炉の中で、核燃料が過熱し続けている。
制御不能になっていて、なんとかして冷やそうとしている。
頑丈なはずの原子炉格納容器が壊れれば、アウトである。

政府も、東電も、隠そう隠そうとしているのはみえみえ。
新聞やテレビ、ラジオの報道も、遠慮気味だ。
週刊誌やタブロイド版の夕刊紙は、恐怖心をあおるばかりで、まともな報道が少ない。

「時限爆弾」――いやな言葉だが、そうとでも呼ぶしかない。

いろんな人が言っていることだが、私も、日本中の原発を一度全部止めて、再点検すべきだと思う。
今すぐ全部やめろ、とまでは言わないが、計画的・段階的に廃止するのがいいと思う。
その前提で、日本全体の電力を考えればいい。
もちろん、これまで電気を湯水のように浪費してきた産業界や、我々の日常生活も、大きく変えなければいけないが。

二日前の東京新聞夕刊に、梅原猛さんが次のように書いていたが、私も同感だ。

― 東京新聞 2011/4/11 夕刊 8面(文化欄) ―
 「思うままに 大震災を考える(一)」 梅原 猛 より

「震災は天災であるとしても、震災によって起こった原発の事故は天災とはいえず、人災といわねばならない。……原発事故はまだ容易にその底がみえない。現在の科学では、原発事故を収束させる手だてが見つからない。事故による被害は徐々に広がり、日本全体を地獄に落とす可能性すら秘めている。」

「私はすでに三十年前から原発について反対してきたが、マスコミの人の語るところによれば、原発に反対してきた文化人は大変少ないという。原発の危険性は子どもにも容易に分かることである。スリーマイル島原発やチェルノブイリ原発の事故が起こったときも、私は原発を段階的に廃止せよと主張したが、それはまったく物狂いの人のたわ言と扱われたのである。そして政府も電力会社も、日本の原発はアメリカやソ連の原発よりはるかに安全だといい続けてきた。……」

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