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2011年5月 4日 (水)

【震】原子力発電のコスト

原子力発電を推進・擁護する人たちの言い分のひとつに、「コストの安さ」があげられる。
私は、直観的に「ウソだろ」と思ってきた。
一基建てるのに、数百億から数千億円もかかる。
しかも、燃料のウランは高価なはずだし、使用済み燃料の処分にも膨大な費用がかかっているだろう。
さらに、今回のような大事故の可能性が高いので、事故の賠償金なども、あらかじめコストに含めておかなければ、数字の詐術になる。
トータルで計算すれば、高価な発電ではないだろうか。
まったく割に合わないのだ。
しかも、こんなに危険な発電方法はない。

そんなことを思い続けていたところ、東京新聞に興味ぶかい記事があった。


2011年4月30日(土) 東京新聞 朝刊 20面
 ニュースの追跡

 「原発 安くない」 立命館大教授がコスト試算

<原子力発電は安い? 狭い日本列島に54基もの原発が並ぶ理由の一つが、1キロワット当たり5.3円とされる発電費用(コスト)だ。ところが、大島堅一・立命館大国際関係学部教授(環境経済学)は「政府の補助などを加えると、二倍以上の10.68円。福島原発事故の賠償額を論じるまでもなく、高コストだ」と異論を唱えている。>

<水力11.9円、石油10.7円、原子力5.3円―。この数字は全国の電力会社十社でつくる電気事業連合会(電事連)が、2004年に公表した電力1キロワットを起こすのに必要な経費だ。/原子力が最も安くなっている。歴代政権と電力会社が、原発を推進してきた根拠の一つだ。/これに対し大島氏は、原子力+揚水12.23円、原子力10.68円、火力9.9円、一般水力3.98円―が本当のコストだという。/この違いは、電事連が、新たに発電所を造るとして計算した仮定のコストなのに対し、大島氏は、実際の費用を計算したためだ。電事連によると、仮のコストを使うのは、どの電源にいくらかかったか、実績値は企業秘密だからだ。/大島氏のほうは、電力各社の有価証券報告書からはじいた数字に、政府が原発を推進するために支出した税金を加えて計算した。これにより、原子力は一気に10.68円に跳ね上がる。電事連が言っているコストは、この政府支出分を一部しか含んでいない。……>

だまされないようにしよう。

【注】 揚水
揚水発電(ようすいはつでん、Pumped-storage hydroelectricity)は、夜間などの電力需要の少ない時間帯に原子力発電所などから余剰電力の供給を受け、下部貯水池(下池)から上部貯水池(上池)へ水を汲み上げておき、電力需要が大きくなる時間帯に上池から下池へ水を導き落とすことで発電する水力発電方式である。
 原子力発電では炉心の構造物に日常的に温度変化を与える運転を行えば、それがストレスとなって劣化を加速することになり、安全余裕度を狭めると考えられている。例えば日本では、原子力発電での出力変化はなるべく避ける方式が採られ、夜間の電力は近くの揚水発電所で水の位置エネルギーとして蓄えるようにしている。
 ― Wikipedia ―


20110430_tokyo_shinbun_1


東京新聞の「こちら特報部」のコーナーで、「新日本原発紀行」という連載がはじまった。
第一回は上の記事の横、4月30日の「伊方(愛媛)編」だ。

伊方原発の3基の建設費は、あわせて5132億円。
電気出力は、これも3基で202.2万キロワット。

この記事のなかに、下の記述があった。

<原子炉は常に最高出力で運転しなければならず、出力を下げると不安定な状態になる。低出力で動かす実験をして暴走したのが86年のチェルノブイリ原発事故だ。/その出力調整実験を、四国電力が住民に知らせずに行い、二回目の実験も行うことが分かり、全国的な反原発運動が広がった。88年6月には、2号機から800メートルのミカン畑に米軍ヘリが墜落した事故もあった。……>

2011年4月30日(土) 東京新聞 朝刊 20-21面
 こちら特報部 新日本原発紀行 「伊方(愛媛)編」

 (画像は、見開き二面にわたる記事の右半分)
20110430_tokyo_shinbun_2

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