【読】【震】安政大地震
二カ月前の大地震のあと、地震や原発の本ばかり読んでいる。
たかだか数十年の歴史しかない原子力発電はさておき。
日本列島が、大昔から繰り返し大きな地震災害にみまわれてきたことに、いまさらながら驚く。
首都東京(江戸)を襲った大きな震災では、88年前の関東地震(関東大震災 1923年)がとりわけ大きなものだったが、それより前では安政2年10月2日(1855年11月11日)の「安政大地震」(安政江戸地震)がある。
直下型地震である。
安政の大地震 ―Wikipedia―
安政江戸地震(あんせいえどじしん)は、1855年11月11日(安政2年10月2日)午後10時ごろ、関東地方南部で発生したM6.9の地震である。南関東直下地震の一つに含まれる。
(略)
震源は東京湾北部・荒川河口付近と考えられている。
(略)
特に強い揺れを示したのは隅田川東側(江東区)であった。隅田川と江戸川に挟まれた沖積地が揺れを増幅したものと考えられる。震度6以上の揺れと推定されるのは江戸付近に限られる一方で、震度4以上の領域は東北地方南部から東海地方まで及んだ。
北原糸子さんという学者さんが書いた、こんな本を図書館から借りて読みはじめている。
北原糸子 『安政大地震と民衆―地震の社会史』
三一書房 1983年 264ページ 1700円(税別)
新本は手に入らず、文庫版(講談社学術文庫・2000年)も入手不可能だ。
学者らしく、くどいほど綿密な記述なので、読むのがたいへんだが、面白そうだ。
内容(「BOOK」データベースより)
1855年、震度6の地震が百万都市江戸を襲った。安政大地震である。明日を見失った被災民は、生へ向う意志と復興への願いをこめて、地震鯰絵やかわら版に熱狂する。これら民衆のメッセージは、時空を越えて現代のわれわれにも何事かを訴えかけているに違いない。残された資料の中に災害史の新しい可能性を探る好著。
著者紹介
1939年生まれ。津田塾大学学芸学部英文科卒。東京教育大学大学院文学研究科修士課程修了。東洋大学講師。著書に『都市と貧困の社会史』『磐梯山噴火──災異から災害の科学へ』『江戸城外堀物語』、訳書に『災害と千年王国』などがある。
江戸時代末期といえば、浅草弾左衛門(十三代目 弾直樹)が生きた時代。
ずいぶん前に読んだ、塩見鮮一郎さんの『浅草弾左衛門』(三部作)にも、この地震が描かれていたはず。
そう思って、本棚から文庫版の方をひっぱりだしてみた。
近いうちに読みなおしてみたいと思う。
塩見鮮一郎 『浅草弾左衛門 第三巻 幕末躍動篇(上)』
『浅草弾左衛門 第四巻 幕末躍動篇(下)』
小学館文庫 1999年 各657円(税別)
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