【震】高橋知事よ、あなたもか
北海道電力泊原発3号機が、定期検査で調整運転中の状態から、なし崩し的に営業運転再開になりそうだ。
高橋はるみ北海道知事が再開を認めた、と報道されている。
私にしてみれば、知事が勝手に、と言いたいところだ。
東京新聞 2011/8/17(水) 朝刊 22-23面
「こちら特報部」
<北海道電力泊原発3号機は営業運転再開の流れだが、最終判断をした高橋はるみ北海道知事の、北海道電力との蜜月ぶりには驚かされる。同社幹部からの政治献金は毎年の恒例。北電元会長が資金管理団体の会長も務める。「全機停止」の事態を避けたかった経済産業省にとって、これほどの〝人材〟はなかったはずだ。 (小国智宏、篠ケ瀬祐司)>
高橋はるみ北海道知事の経歴(上掲記事より)。
<富山県出身。祖父の高辻武邦氏は富山県知事を二期務めた。父親は経産省と関係が深い地元のガス会社の元社長。弟は現社長だ。
一橋大学を卒業後、旧通産省に入省。中小企業庁課長などを経て、2001年、経産省北海道経済産業局長に就いた。これが、北海道との縁になった。
旧通産省で先輩に当たる北海道選出の町村信孝衆院議員に誘われ、03年の知事選に自民党推薦で出馬し初当選。町村氏の父親で衆院議員や北海道知事を務めた町村金吾氏は、高橋知事の祖父の高辻氏と旧内務省で同期という間柄だった。……>
泊原発のある場所は、地震が心配だ。
津波ばかりが言われるが、大きな地震が起きたとき、激しい揺れに耐えられるのか?
日本列島が「大地動乱の時代」にはいったという、地震学者たちの警告をどう考えているのだろうか。
― 東京新聞 5月5日 「こちら特報部」 記事より ―
<東洋大の渡辺満久教授(変動地形学)が09年、「泊原発の10~15キロ沖合にこれまで確認されていなかった活断層がある」と指摘した。……これに対して、北電は、ボーリング調査などの結果、段丘に隆起傾向などがみられないとして、「付近に活断層はなく、耐震安全性に問題はない」とする調査結果を、経済産業省原子力安全・保安院に提出した。>
3号機は、プルサーマル発電の導入も検討されている、モンダイの原子炉だ。
プルサーマルは、使用済み核燃料から取り出したプルトニウムとウランでつくるMOX燃料を使用する。
制御が困難で危険性が高いものだ。
北海道は私の生まれ故郷。
とても心配だ。
【関連Web記事】
東京新聞 TOKYO WEB 【特報】
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokuho/
道知事が再開容認を正式表明 泊3号機、営業運転へ-北海道新聞[政治]
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/312306.html
北海道新聞 号外 (道新ニュース速報) 8月17日
「泊3号機 営業運転再開」
http://www5.hokkaido-np.co.jp/pdf/20110817_1.pdf
泊原発の安全性 再考求める 東洋大・渡辺教授が札幌で講演-北海道新聞[動画News ニュース]
http://www.hokkaido-np.co.jp/cont/video/?c=news&v=1099820833001
地震列島=日本列島に林立する原子力発電所が、どれほどアブナイものか。
最近読んだ 『原発を終わらせる』 (岩波新書/高橋克彦 編) にも、ていねいに述べられている。
II 原発の何が問題か――科学・技術的側面から
4 地震列島の原発 石橋克彦 より
<「原発と地震」の問題を考えるさいには、つぎの四点をあらためて肝に銘じる必要がある。
(1) 原発の安全性は、莫大な放射性物質を内蔵することから、ほかの施設よりも格段に高くなければならない。
(2) ところが原発は完成された技術ではない。
(3) いっぽう、地震というものは、最大級の様相を呈すると本当におそろしい。
(4) しかし人間の地震現象に関する理解はまだきわめて不十分で、予測のできないことがたくさんある。
これら四点を虚心に受けとめれば、地震列島の海岸に54基もの大型原子炉を並べることがどんなに危ういことか、人としての理性と感性があればわかるはずだ。……> (P.125-)
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