【震】NHKドキュメンタリー番組を見る
きのうは、女子サッカーの五輪アジア最終予選を、はらはらどきどきしながら観戦。
夜の中国×オーストラリア戦放映(NHK BS1)の後、10時からのドキュメンタリー番組を見た。
2011/9/8(木) 22:00~22:50 NHK 特集ドキュメンタリー
明日へ! 再起への記録
「家族は放射能の向こうに~ある“原発避難者”の6か月~」
http://cgi4.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2011-09-08&ch=21&eid=6888
福島県大熊町は、福島第一原発のある町だ。
ここに住んでいた男性と家族の話。
3月11日からの6ヶ月間を、ていねいに追跡したドキュメンタリーだった。
……
地震直後の巨大津波によって、男性の家族三人(父親、妻、次女)が行方不明になった。
男性と、長女の二人だけが助かった。
その後の原発事故で立入禁止地域となったため、近づくことができず、捜索も進まない……。
男性の父親(おじいちゃん)と思われる遺体がみつかり、DNA鑑定で本人と確認できた。
その後、奥さんの遺体もみつかった(海上で収容されていた遺体がそうだったと判明)。
しかし、幼い次女だけはまだみつかっていない。
福島第一原発から数キロしか離れていない場所にあった自宅は、完全に流され、付近の捜索は高放射線量のために困難を極めている。
男性と、奥さんの父親の二人は、特別に許可をもらい、自宅があった付近の立入禁止地帯に足を踏み入れる。
おじいちゃんがみつかった場所と、海岸に献花する。
奥さんが乗っていた車が、大破した姿で、瓦礫の中に残っていた。
車内には汚泥・流木などが堆積していたが、奥さんの免許証と財布がみつかった。
別の機会に、家族の写真もいくつか回収できたものの、放射線量が高いものは持ち帰ることができない。
持ち帰った写真を、一枚一枚水で洗い、ていねいに乾す男性の姿。
奥さんの形見となってしまった財布を、長女に渡そうかどうか迷う男性。
「30年後に渡そうかな。セシウムが消えた頃に……」
淋しげに笑う。
まだ小学生の長女は、母と幼い妹の死をけなげに受けとめている。
母方の祖父母が言う。
「この子は、絶対に原発のある土地には嫁にやらん」
すぐさま長女が言う。
「行かない」
東電社長が、地元の集会で「謝罪」する。
土下座して「謝罪」の言葉を発する、むなしいその姿。
男性が集会で発言する。
「東電の幹部は、瓦礫のなかを歩いて、行方不明者を捜索して欲しい。これは要望ではなく、命令です……」
……
書いていても、泣けてくる。
私に今できるのは、この男性と女の子、家族(奥さんの妹、両親)のつらさを、思いやることしかないのか。
この先、何年、何十年たっても、この「思い」を忘れないでいようと思う。
NHKのドキュメンタリー「明日へ! 再起への記録」は、連夜放映されている。
NHKらしく、じっくり時間をかけて被災地に密着取材した、力作のドキュメンタリーだ。
NHKオンライン http://www.nhk.or.jp/
NHK番組表 http://cgi4.nhk.or.jp/hensei/program/
6日(火)の番組では、岩手県宮古市の漁協の人たちの頑張りが描かれていた。
2011/9/6(火) 22:00~22:50 NHK 特集ドキュメンタリー
明日へ! 再起への記録
「豊饒(じょう)の海よ蘇れ~宮古・重茂漁協の挑戦~」
http://cgi4.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2011-09-06&ch=21&eid=7132
7日(水)も見ていたが、番組の途中で北海道の地震速報に切り替わってしまい中断。
津波で壊滅的な被害を受けた岩手県大槌町。
校舎を失い仲間を亡くした子どもたちが、笑顔を失わず、懸命に頑張っている。
2011/9/7(水) 22:00~22:50 NHK 特集ドキュメンタリー
明日へ! 再起への記録
「ガレキの町の小さな一歩~被災した大槌小子どもたちの涙と別れ~」
http://cgi4.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2011-09-07&ch=21&eid=6886
月曜日も見逃したので、再放送に期待。
2011/9/5(月) 22:00~22:50 NHK 特集ドキュメンタリー
明日へ! 再起への記録
「みんな一人じゃないからな~閖上中学校の仲間たち~」
http://cgi4.nhk.or.jp/hensei/program/p.cgi?area=001&date=2011-09-05&ch=21&eid=388
私は「NHKネットクラブ」に加入しているので、再放送があればメール連絡が来るように登録ができる。
NHKはオンデマンド配信というサービスもあり(会員登録無料、利用は有料)、なかなか便利だ。
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コメント
見逃している大切な番組がいくつもありますね。NHKネットクラブは知りませんでした。
投稿: 玄柊 | 2011年9月 9日 (金) 09時34分
>玄柊さん
いやいや受信料を払っていますが、NHKのドキュメンタリー番組には、いいものがありますね。
投稿: やまおじさん | 2011年9月 9日 (金) 15時16分
我が家はTVを止めてしまいました。「地デジ」の際に。音楽や落語を流して、静かです。ただ、ニュースやドキュメンタリーも見られないのは、ちょっと淋しいかな・・・。でも、おかげで見たような気になりました。
投稿: みやこ | 2011年9月11日 (日) 07時30分
>みやこさん
ずいぶん思いきりましたね。
TVを見ない生活もいいかもしれません。
富良野に住む倉本聡さんも、テレビはほとんど見ないそうです。
わが家は、昼間はラジオを聴いています。
地デジになって、ビデオデッキが使えなくなり、そのままです。
地デジ対応の録画装置を買おうかどうか、迷っています。
NHKのドキュメンタリーは、オンデマンド配信を利用すればPCでも見られますが、NHKの受信契約番号が必要です。
まったく困ったものです。
投稿: やまおじさん | 2011年9月11日 (日) 08時02分