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2011年11月16日 (水)

【読】ウーマンアローン

図書館から借りていた本を、昨夜、いっきに読みおえた。
廣川まさきさんという女性が書いた、『ウーマンアローン』 というノンフィクション。

ひとことで言うと、「女ひとりユーコン川をカヌーで下る」 物語だが、爽やかな感動を受けた。
いい本だった。

廣川まさき 著 『ウーマンアローン』
 集英社 2004年11月23日発行
 252ページ 1500円(税別)

著者略歴(本書カバーより)
 1972年富山県生まれ。岐阜女子大学卒。
 会社員を経て、牧場の仕事に挑むことを決意。
 27歳の時、ワーキングホリデービザを取得し、カナダ・バンクーバーから450キロほど東にある町、
 カムループスにある牧場で学び始める。
 将来の夢は「牧場経営」でもある。
 本書『ウーマンアローン』で、第2回開高健ノンフィクション賞受賞。

行動的な人だと思った。
2003年6月23日、彼女のカヌーひとり旅が始まる。
出発点は、カナダ・ユーコン準州のテスリン。
ユーコン川の支流 テスリン川から北西へ向かい、ユーコン川に入り、国境を越えてアメリカ・アラスカ州へ。
目的地は、ビーバー村。

彼女がここを目指したのは、新田次郎の『アラスカ物語』を読み、安田恭輔(フランク安田)という過去の人物に憧れたからだった。

<会ってみたい人がいた。
 その人は、アラスカの大地に眠っている。
 その人の名は、安田恭輔。
 アラスカではフランク安田と呼ばれていた。
 私が漕ぎ出した大河ユーコン川の約1500キロ先にある小さな村に、その日本人の壮大な物語があったのだ。
 その村とは、内陸アラスカ、アサバスカンインディアンの領土の中にぽつんと造られた捕鯨民族、北極海沿岸エスキモーの人々の村だった。> (本書 P.11 第一章 アラスカへ)

ビーバー村へ行くには、飛行機で飛ぶか、モーターボートやカヌーで川を下るしか方法がなかった。
彼女は、迷わずカヌーを選んだ。
カヌーの漕ぎ方も知らないのに。

<カヌーを漕ぐのも、川を下るのも、野生動物の生息する原野でのキャンプも、何もかもが初めてだった。
 カヌーの漕ぎ方も知らない。そんな船長を乗せてしまったカヌーは、ただバタバタと水を叩き、あれこれと積みこんだ荷物のバランスの悪さに、くるくると翻弄される流木のようにまわっていた。
 そのカヌーの舳先をグイッと力任せに進行方向に立て私は、言った。
「全部、実践で学んでいくよ!」> (本書 P.10 同上)

この人の思いっきりのよさ、行動力、そして、この文章の歯切れのよさ。
魅力的だ。

 第一章 アラスカへ
 第二章 アッパーユーコン
      テスリン川~ドーソンシティ
 第三章 水上の国境を越えて
      ドーソンシティ~サークル村
 第四章 ユーコンフラッツ
      サークル村~フォートユーコン村
 第五章 ビーバー村

ビーバー村に到着したのは、8月5日。
出発から44日、1500キロの川旅だった。

女ひとり、銃もGPSも衛星電話も持たず、自らの「第六感」を頼りに、大自然の中で学習を重ねながら困難な旅を完遂した。
旅の途中で出会った人々との交流が、たくさんのエピソードとして書かれている。
そのひとつひとつが、輝いている。
いっしょに川旅をしているような臨場感を覚えながら読みおえたとき、静かな感動に包まれていた。

ちょっと褒めすぎかもしれないが、いい本だったな。
この人の次の著書も手に入れて読んでみようと思う。
新田次郎の『アラスカ物語』も読んでいないな。こんど読んでみよう。


廣川まさき 著 『私の名はナルヴァルック』
 集英社 2010年 304ページ 1500円(税別)

廣川まさきさんのサイト
  ノンフィクションライター廣川まさき・ウエブホームページ
  http://web.hirokawamasaki.com/

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