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2012年1月30日 (月)

【読】手放しがたい本

本の減量作戦を継続中。

きのうの段階からさらに一歩すすんで、処分本は110冊程度まで増えた。
さっそく、チャリティー古本市用書庫へ車で運んだ。
さすがに重かった。

家に戻って、文庫本のうち処分していいものを追加で選び、いったんは紐でくくったのだが……。
思いなおして元に戻した本が二冊ある。
ずいぶん前に読みおえた本だが、いい本なのでとっておこうと思ったのだ。

二冊とも、勢古浩爾さんが著書のなかで推奨していたもの。
勢古さんの選書眼は鋭く、彼の推薦図書リストにはずいぶんお世話になった。

 → 2007年2月17日 (土) 【読】文庫二冊
   http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2007/02/post_543b.html


陽 信孝 著 『八重子のハミング』
 小学館文庫 2005年発行
 221ページ 476円(税別)

アルツハイマー病に罹った妻の介護記。
著者自身も胃がんの摘出手術を受けている。
四千日余に及ぶ「老老介護」の軌跡は、これから先の私にとっても他人事ではない。
著者は短歌を詠む。
本書の随所に、短歌がちりばめられている。

 黄泉の国 求めて行かば 必ずや
  まみえゆることの あらば行きたし


<妻が最後まで口にした言葉は、「ばか」「痛い」「おかあさん」。亡くなる一年ほど前からは、私を見ても「おとうさん」という言葉は出ず、代わりに「おかあさん」と呼びかけられたことが何度かある。
 本書の題名にもなった「ハミング」であるが、夫婦とも大ファンだった谷村新司の「昴」を最後に、亡くなる数か月前から、もうまったく口ずさむことはできなくなっていた。しかし、私が歌い出すと、まるで手拍子を取るように微かに体を揺すって、機嫌良さそうにしていた。>
 (P.209 終章 かあさん、ありがとう)

涙なくして読めない本だった。

もう一冊。
これも感動的な内容。
大学卒業後、会社勤めに挫折して釜ヶ﨑で労務者になり、山谷に流れて来た男性が書いた本。
著者は、この本で第9回開高健賞を受賞した。
畳一畳のベッドハウスに寝泊まりし、現場仕事をし、山谷に生きる人間たちの生活と心根をつぶさに観察して書いたものだ。

この本を読んだとき、まさに「目からウロコが落ちる」思いをした。

大山史朗 『山谷崖っぷち日記』
 角川文庫 2002年発行
 213ページ 495円(税別)

強く感動し、いいと思った本は、やはり手許においておこう。

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コメント

いい本、読んでいますね。わたしも読まなきゃ。

投稿: ろくろくび | 2012年2月 2日 (木) 05時33分

>ろくろくび さん
コメント、ありがとうございます。
お元気でいらっしゃいますか?
(インフルエンザが流行っていますが)
この二冊は、機会があればぜひお読みください。
お薦めの本です。

投稿: やまおじさん | 2012年2月 2日 (木) 16時56分

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