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2012年5月27日 (日)

【雑】【読】あれから一年

一年前の一昨日、5月25日。
9年ちょっと勤めた会社を定年退職、その最終出勤日だった。

あれから、一年。
長かったような短かったような日々だったなぁ、なんて感慨にふけっている。

今年三月、家賃の安い公営住宅に引っ越し、なんとかやっている。
お金になる仕事は、あいかわらず、ない。

それでもいいかな、と思っている。


長いこと読まないで置いてあった五木寛之さんの 『林住期』 を、数日前に読んだ。
五木さんの本は、『大河の一滴』(1998年) あたりから説教くさい感じがしてきて、あまり読まなくなった。

ひと頃は夢中になって読んでいた。
『戒厳令の夜』(1976年発行) は、雑誌連載中、毎号買ってきて読んでいたほどだ。


五木寛之 『林住期』
 幻冬舎 2007年2月発行
 214ページ 1400円(税別)

五木さんの言う「林住期」、今の私はちょうどそれにあてはまる気がする。
すこしばかり、勇気づけられた。
これでいいんだ、というきもちになり、楽になった。

もう一冊、昨年買ったままの新書も読んでみた。

五木寛之 『下山の思想』
 幻冬舎新書 2011年12月発行
 223ページ 740円(税別)

なんとなく内容にまとまりがないように感じられたのは、ひょっとしたら、日刊ゲンダイ(夕刊紙)連載の 「流されゆく日々」 に書かれたものを再構成したんじゃないだろうか。

ちなみに、「流されゆく日々」 というコトバが、好きだ。
いかにも五木さんらしい、ちょっとひねくれた言葉なのだが、いいのだ。

『林住期』にしろ、『下山の思想』にしろ、五木さんの敗戦体験(朝鮮半島からの引揚体験)が、すこしずつ語られはじめているのが、興味ぶかい。

五木さんの敗戦体験といえば、『旅の幻燈』 というエッセイ集(1986年発行)に書かれた生々しい体験記に驚いたことがある。
五木さんの本のなかでは、私の愛読書のひとつだ。

Amazonのリンクには文庫版の表紙画像がないが、カバー写真は
 「1936年 論山にて 母 カシエと著者」
とある。
まだ若い母親と、幼年期の五木さんの、いい写真だ。


五木寛之 『旅の幻燈』
 講談社文庫 1990年発行

Tabinogentou
 

「あれから一年」 の話が、いつのまにか中途半端な読書日誌になってしまった。
ま、いいか。


【追記】
よく知られていることだと思うが、私はよく認識していなかった。
「林住期」は、古代インドでの考え方「四住期」=「学生期(がくしょうき)」「家住期(かじゅうき)」「林住期(りんじゅうき)」「遊行期(ゆぎょうき)」の第三ステージ。
古代インドのバラモン教の考え方だという(Wikipedia)。

俳優の山崎努さんの著作 『柔らかな犀の角』 (文藝春秋/2012年4月発行)に、わかりやすく、おもしろい説明があったので、以下転載。

<インドには古くから(男の)人生を四つに分ける「四住期」という考え方があって、それに従って生きることが理想とされていたようだ。まず「学生期」、これは文字通り勉学の時。次の「家住期」で結婚、子育て、家業に励む。暮らしが安定したところで「林住期」となり、ここでなんと家長が家を出る。家出をする。妻子を残し自分ひとりで旅に出て勝手気ままに暮らすのだ。存分に自由時間を楽しんだ後、男たちは家に帰り、もとの生活を再開する。ところがまれに旅に出たまま戻らない者がいて、彼らはそのまま第四のステージ「遊行期」に入って行く。この最後の期は、悟りを目指す修行の旅だ。>

<ブッダが家を出たのは二九歳の時で、この「林住期」に相当する。早すぎる、その歳で家計の心配もなく妻子をほったらかして旅に出るなんてありえない、と思うのは我ら貧乏人の考え。ブッダはシャカ族の王子だったのだから稼ぎを気にすることはなかった。残念ながら我々が「林住期」を体験できるとすれば、うまくいって晩年、退職してからになりそうだ。>

  ― 山崎努 『柔らかな犀の角 ―山崎努の読書日記―』 P.38-39 より ―


ちなみに、引用部分で山崎努さんが紹介している本は、『ブッダは、なぜ子を捨てたのか』(山折哲雄/集英社新書)。
ちょっと読んでみたいきもちになった。

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