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2012年11月29日 (木)

【読】南伸坊

私は本が好きだ。
それほどたくさん読めないのだけれど、手許に置いておくのが好き。
だから、読書人ではなく、置書人(おくしょじん)――なんちゃって。

本を買うとき、新本も古本も、もちろん読みたいと思って買って来る。
ところが、この本を買いたいと思わせる「決め手」は、私の場合、装幀(装丁とも書く)に魅かれてということが多い。

ずっと前、古本屋(大型新古書店)で見つけて、すぐに欲しくなり、買ってしまった。
『装丁/南伸坊』 という楽しい本だ。

この本も、装幀の魅力が大きい。
カバー写真が意表をつく。
職人姿の南伸坊。

帯のキャッチもいい。

こちとら、装丁です。 全119冊のカラー図版で語る装丁・南伸坊の現場の職人ばなし>

買ってから通して読んだことはなく、ときどき眺めて楽しんでいる。
今日も本棚から引っぱりだして、ところどころ開いては眺めていた。

南伸坊 『装丁/南伸坊』
 フレーベル館 2001年 231ページ 2,300円(税別)

残念ながら、もう発売されていない。
私は定価の半分ぐらいで買ったと思う。
Amazonなら、もっと安く手にはいるかも。

南伸坊という人が好きで、ひと頃よく、この人の書いた本を買って読んでいた。
自称「イラストライター」。 とぼけたイラストと、味のある文章を書く人だ。

<装丁家と名乗ると、ちょっと立派すぎる。おそらく「家」が立派なので、私は単に「装丁」ということにする。こうすれば馬丁、園丁みたいでちょっと職人ぽくていい。/私が装丁になって十数年経ってしまった。最初に装丁した時から時から数えれば、もっと、二十数年になってしまう。> (本書 「装丁の前口上」 P.4)

彼の「装丁」としての仕事がカラー図版で紹介されていて、本好きの私は眺めているだけで嬉しくなる。


伸坊さんが装幀した本の一部をAmazonから選んでみた。

どれも優れた装幀である。
画像(装幀写真)を見るだけで、欲しくなってしまう。

「顔(装幀)のいい本は中身(内容)もいい」 というのが私のかねてからの持論だ。
ついでに言えば、レコードやCDのジャケットも同様だと思う。

 

 

 

 

 

 

 

 

椎名誠の「新宿赤マント」シリーズ(文藝春秋)を目にしたことのある人は多いだろう。
味のあるイラストは、沢野ひとし。
確かめてはいないが、このスタイル(同じ判型・デザイン)のシーナ本は、たくさん出ているはずで、装幀は南伸坊だ。

ちくまプリマーブックスの洒落た装幀も、この人の仕事だ。
私はこのシリーズが好きで、古本屋に行くとよく手にする。

伸坊さんが「フォーマット」と言っているのは、こういうデザインの統一感なんだろう。
さすが、である。

<ちくまプリマーブックスは中高生向きの読者を想定した選書のようなシリーズだ。/十数冊を出したところで、フォーマットのデザインが固定化しすぎたので、もうちょっとゆるやかなフォーマットに作りかえてほしいと依頼された。/きれいなデザインだったが回りを黄色にしたワクの中だけを変えるデザインで、黄色の印象が強いから、確かにみんな同じ本に見えてしまう。/フォーマットを、白地にイラスト、タイトルはダ円の中に入れて、という具合にシバリをゆるくした。>

<シリーズはいま、140冊まで出ている。……これを始めてから、よそからの発注もぐんとふえたのだった。/このシリーズも「装丁」としての私をきたえてくれた、ありがたい仕事だと思っている。>

 (本書 「プリマーブックスに育てられた」 P.216)

   

きりがないので、これぐらいにしておこう。

以下、Wikipediaより。

南 伸坊(みなみ しんぼう、本名: 南 伸宏、1947年6月30日 - )は、日本の編集者、イラストレーター、エッセイスト、漫画家である。本の装幀も多数手掛ける。
 エッセイに自らイラストをつける手法により、「イラストライター」と自称する。あたたかみのある描線の似顔絵や、シンプルながら洗練された装幀で知られる。第29回講談社出版文化賞ブックデザイン賞受賞。
『ハリガミ考現学』での貼紙の研究により、赤瀬川原平が提唱した路上観察学会にも参加。丸刈りでおむすび型の頭をトレードマークにしており、これを強調した自画像イラストでも知られる。また、日清チキンラーメンのCMなどにも出演した。
 作品には、『みなみしんぼうのそっくりアルバム』、『歴史上の本人』、『本人の人々』など、有名人たちに扮装して顔マネをした「そっくり写真」がある。これらの作品で衣装、小道具、写真等を担当してるのは妻・南文子であるが、文子も伸坊と同じく、美学校の赤瀬川教室の出身者である。
 伸坊の漫画作品には中国の奇異小説を漫画化したものが多く、また、中国歴史物小説のカバー挿画も多く担当している。さらに、各分野の専門家との対談形式によって、専門的な事項を素人にもわかりやすく説明する著作があるほか、ゲームソフト『マザー』(任天堂)のキャラクターデザインも手がけた。>


上の説明にある、各分野の専門家との対談形式によって、専門的な事項を素人にもわかりやすく説明する著作とは、「個人授業シリーズ」(新潮社・新潮文庫)である。
私も何冊か読んだが、面白かった。

     

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