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2013年1月10日 (木)

【雑】眼科診察と読書

晴れのち曇り。
あいかわらず冷える。
気温は現在(午後3時すぎ)7度だが、朝は氷点下だったかも。

朝9時からの予約で、立川の病院で眼科診察。
年明け早々のためか、病院はえらく混んでいた。
結局、午前中いっぱいかかってしまった。

眼圧が高めで、緑内障の気(け)があると言われ、三か月に一度の診察。
今回、担当医が代わり(また女医さんだ)、目薬もやめて半年に一度の診察でよかろう、という診断。
やれやれ。

バスの中と病院での待ち時間、本を読む。
年末から格闘している、分厚くて難しい本だ。
図書館から借りてきたが、この分だと貸出延長だろうな。


開沼 博 『「フクシマ」論 原子力ムラはなぜ生まれたのか』
 青土社 2011年6月30日発行
 403ページ 2,200円(税別)

昨年の3・11よりも前に書かれた修士論文がベースで、刊行時に一部加筆されている。
あの福島第一原発の惨事が起こらなければ、注目されることもなかっただろう、と思う。

著者は、1984年、福島県いわき市生まれ。
2011年、東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。
刊行時、同博士課程在籍。専攻は社会学。

学術論文なので、私の手におえるシロモノではないのだが、なんとか頑張って(なかば意地で)読み続けている。
ようやく、八割方まで読みすすんだ。

表題の「原子力ムラ」について。

一般的には…
<原子力業界の関係者の間で、閉鎖的かつ硬直的な原子力政策・行政を揶揄する言葉>(本書P.292)
として使われきたものだが、
本書では…
原子力発電所とその関連施設が立地する町(双葉町、大熊町、富岡町、楢葉町)を指す。

ここに、著者独自の視点、問題意識がある。


3部構成、補章も含めて8章から成る。
著者が序文で書いているように、第2章(第二部)から読む方が、とっつき易かったのかも。
私は律儀に最初から読んでいるが、途中で何度も放り出したくなった(難しくて)。

ただし、内容はさすがに(論文らしく)、しっかりしていると思う。


私がこの本を読んでみようと思ったのは、ある書評を読んで知ったためだ。

『分厚い本と熱い本 毎日新聞「今週の本棚」20年名作選(2005~2011)』
 毎日新聞社 (2012/11/20)

 ※これも図書館から借りて、ぱらぱら読んでみた本。

―Amazonサイトより― (帯の推薦文)

<“大文字” 言葉で書かれたものばかりの 「原発本」 の中で、福島生まれの著者による本書は、郷土への愛という神が細部に宿っている。―― 佐野眞一 >

<原発は戦後成長のアイコンだった。フクシマを生み出した欲望には、すべてのニッポンジンが共犯者として関わっている。それを痛切に思い知らせてくれる新進気鋭の社会学者の登場!―― 上野千鶴子>

<原子力ムラという鏡に映し出される戦後日本の成長神話と服従のメカニズム。本書の刊行はひとつの奇跡だ。―― 姜尚中>


―e-honサイトより― (本書内容)
http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000032602883&Action_id=121&Sza_id=B0

[要旨]
原発は戦後成長のアイコンだった。フクシマを生み出した欲望には、すべてのニッポンジンが共犯者として関わっている。それを痛切に思い知らせてくれる新進気鋭の社会学者の登場。
[目次]
第1部 前提
 序章 原子力ムラを考える前提―戦後成長のエネルギーとは
 第一章 原子力ムラに接近する方法
第2部 分析
 第二章 原子力ムラの現在
 第三章 原子力ムラの前史―戦時~一九五〇年代半ば
 第四章 原子力ムラの成立―一九五〇年代半ば~一九九〇年代半ば
第3部 考察
 第五章 戦後成長はいかに達成されたのか―服従のメカニズムの高度化
 第六章 戦後成長が必要としたもの―服従における排除と固定化
 終章 結論―戦後成長のエネルギー
 補章 福島からフクシマへ



この本については、Amazonに多くの書評・感想が寄せられているが、私としては松岡正剛氏の書評(ウェブ・サイト)が参考になると思う。

千夜千冊
http://1000ya.isis.ne.jp/top/ 内

1447夜『「フクシマ」論』開沼博 | 松岡正剛の千夜千冊
http://1000ya.isis.ne.jp/1447.html

このサイトに、開沼さんの写真が掲載されているのを見た。
社会学の研究者とは思えない風貌で、親しみをおぼえた。

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