【読】図書館はおもしろい
午後、雪は雨に変わった。
読み終えた本を返却するため、近くの図書館へ。
その足(車)で、西に隣接する武蔵村山市の市立図書館へ行き、貸出カードを作ってもらった。
これで、地元の東大和市立図書館、東に隣接する東村山市立図書館のカードとあわせて、三枚の図書館カードを持つことになった。
武蔵村山市立図書館は、どうやら中央図書館を持たないようで、六つの地区館・分館が市内に分散している。
私の住まいからは、自転車か車じゃないと行けない距離だが、他の図書館にない本があれば、借りに行こうと思う。
武蔵村山市立図書館
http://www.library.musashimurayama.tokyo.jp/
帰り道、東大和市立中央図書館に寄った。
書棚を見てまわるのが楽しい。
ほう、こんな本が……という発見が多い。
今日から読みはじめた本。
この下巻もおもしろい。
ジョン・ダワー 『増補版 敗北を抱きしめて――第二次大戦後の日本人』 (下)
岩波書店 2004年 464ページ
日本の敗戦直後、天皇の地位をめぐって繰り広げられた「策略」と呼んでいい史実が、アメリカ側の資料にもとづいて詳しく描かれている。
著者は、昭和天皇(裕仁)に対して、なかなか手厳しいのだが、なるほどそういうことだったのか、と頷くことが多い。
この本の巻末注によくでてくる本も、図書館の書棚にあったので、借りてきた。
すぐ読めるとは思えないが、興味深い本だ。
こういうすぐれた本があることを知らなかった。
鶴見俊輔・中川六平 編 『天皇百話』 (上・下)
ちくま文庫 1989年
上下巻、それぞれ800ページもある大部だ。
―Amazonより―
<上巻内容
激動の“昭和”。時代の荒波をくぐり抜け、歴代天皇の中で最も長く在位した天皇裕仁。その八十七年の生涯を、側近から外国人まで、様々な証言と記録によって浮き彫りにしたアンソロジー。本巻では1901年(明治34)の誕生から1945年(昭和20)の敗戦の日までを追う―天皇・運命の誕生(鈴木孝)、陛下の少年時代(学習院ご学友)、満州某重大事件(原田熊雄)、反逆者とは何事(美濃部達吉)、2・26事件獄中手記(磯部浅一)、ルーズベルト裕仁に訴える(ジョセフ・グルー)、終戦の真相(迫水久常)、滅亡か終戦か(鈴木貫太郎)、玉音放送の前夜(石渡荘太郎)などを収録。>
<下巻内容
現人神から人間へ。敗戦のなか、劇的な転回を遂げる天皇裕仁。米ソが睨み合う中で世界は急変し、日本の経済は驚異的な発展をする。戦後の国際社会のなか、天皇はどのような道を歩んだのか。本巻では1945年(昭和20)の敗戦から高度経済成長時代をへて、その死までを追う―天皇との会見(ダグラス・マッカーサー)、天皇に責任なし、敗戦の責・我にあり(東条英機)、人間宣言の秘録(藤樫準二)、巡幸中の陛下(大金益次郎)、あらかん天皇紀(竹中労)、空虚の中心(ロラン・バルト)、苦しかったのは戦友を失ったことです(小野田寛郎)、封印された天皇の「お詫び」(橋本明)などを収録する。>
<著者略歴
鶴見俊輔 評論家。1922年、東京に生まれる。42年ハーバード大学哲学科卒業。同年8月交換船で帰国したのち、バタビヤ在勤海軍武官府につとめる。46年「思想の科学」創刊に参加。65年にはベ平連結成にも参加する。幅広い知的関心を基盤に、生活のなかの哲学を作り上げている。
中川六平 ジャーナリスト。1950年、新潟県に生まれる。同志社大学入学後、ベ平連運動に加わり、山口県岩国市で反戦喫茶「ほびっと」の初代マスターをつとめる。東京タイムズに入社、社会部、文化部を経て85年退社。現在、フリー。(書籍刊行当時) >
上巻(左上)の表紙写真は、沖縄市美里児童公園に残る「奉安殿」(戦前の日本において天皇と皇后の写真―いわゆる御真影―と教育勅語を納めていた建物)。
下巻(右上)表紙は、皇居内の「道潅堀」。
これだから、図書館通いはおもしろい。
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