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2013年4月11日 (木)

【読】まだ読みおえていないけれど…

少しずつ、ほんとうに少しずつ読みすすめている本。
わずか237ページなのに、なかなか読む時間がとれない。

前にも書いたが、日本語タイトルがちょっと……。

 2013年4月4日(木)  【読】邦題の不思議
 http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-04d0.html
 2013年4月1日(月)  【雑】なにか読みたい病
 http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-e842.html

内容は、すこぶる興味ぶかい。
ありふれた表現だが、「目から鱗」の記述が満載の本。

松原久子/田中敏(訳) 『驕れる白人と闘うための日本近代史』
 文藝春秋 2005年 (文春文庫 2008年)
 出版社のページ
 http://www.bunshun.co.jp/cgi-bin/book_db/book_detail.cgi?isbn=9784163669809

「我々の歴史こそ世界史であり、あらゆる民族は我々の文明の恩恵に浴することで後進性から救われてきた」―そんな欧米人の歴史観・世界観に対し、日本近代史に新たな角度から光を当てることで真っ向から闘いを挑む。刊行当時、ドイツで大きな物議を醸した本書は、同時に、自信を失った日本人への痛烈な叱咤にもなっている。 ― Amazonより ―

以下、メモ的に、私がなるほどと感心した部分を。

― 第七章 誰のものでもない農地 より ―
<鎖国時代の日本の状況は、一般欧米人が考えているものとは、全く違うものだった。……日本は開国と同時に、ヨーロッパと同じレベルに達するために、ヨーロッパがその進歩のためにかかった五百年という歳月を、跳び越える必要はなかった。すでに三千万の人間は、総合的な発展を独力で成し遂げていたのである。> P.95

著者が示す、鎖国時代の日本社会の特徴は、おもに次の5点にまとめられている。
細かいところは検証が必要だし、私には若干の異論もあるが、ほぼ同意できることばかりだ。
以下、本書からの引用(P95-96)。

・ 富は国民に広く分配されていた。社会的な負担となる極端な貧富の差はなかった。
・ 国内市場は世界のどこにもない独特なやり方で発展した。
・ 整備された水路・陸路の交通網が発達していただけでなく、港、倉庫、貨物の積替所、沿岸用の船団、渡し舟といった下部組織も完備していた。
・ 野心的な人々、勤勉な人々、学習意欲と能力のある人々が大勢いた。
・ 政府(幕府)は、強力で中央集権的ではあったが、人民の日常の経済生活には、ほとんど干渉しなかった。

鎖国時代の日本が再評価されはじめたのは、いつ頃からなんだろう。
半世紀ちかく前(昭和40年頃)、私たちが中学・高校で教わった「鎖国時代」には、負のイメージが強かったように思う。

江戸時代をことさらもちあげる気はないが、それなりに成熟した社会だったと、最近になって私も認識をあらてめている。
これには、石川英輔さんの著作の影響も大きい。

 カテゴリー「石川英輔」
 http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/cat20062335/index.html

また、ヨーロッパの歴史に向ける著者の眼も、的確だ。
「美しいお伽話である」と言いきっているところが、小気味よい。

― 第九章 高潔な動機 より ―
<ヨーロッパが全世界に出て行った本来の動機が知識欲と探検への情熱であったというのは、美しいお伽話である。/当時の自分たちの優れた文化を他の諸国に普及したいがために海を渡って出かけていったというのも、美しいお伽話である。/キリスト教が探検旅行の原動力であったというのも美しいお伽話である。どこにいるかも分からない異教徒の魂を救済しなければならないという使命感に駆り立てられて、大洋航海船の建造に莫大な資金を用意する支配者がいるだろうか。見知らぬ土地へ危険な航海を決行する船長がいるだろうか。その危険な航海に船員となって雇われる船乗りがいるだろうか。/全ては欲得だけだった。> P.122-123

「全ては欲得だけだった」と断定的に言うのはいかがなものか、とも思うが、総体ではそういうことなんだろう。

そういえば、こんな本もあった。
「キリスト教徒文明の名の下に」、植民地をひろげていった彼ら「征服者」の姿の一端が描かれている。
たしか池澤夏樹さんの著書で知り、手に入れたものの、読み通していない。

ラス・カサス 『インディアスの破壊についての簡潔な報告』  (岩波文庫)

<キリスト教と文明の名の下に新世界へ馬を駆って乗込んだ征服者=スペイン人たち。1542年に書かれたこの『簡潔な報告』は、搾取とインディオ殺戮が日常化している植民地の実態を暴露し、西欧による地理上の諸発見の内実を告発するとともに、この告発によって当時の西欧におけるユマニスト精神潮流の存在を証している。> ― Amazonより ―

尻切れトンボだが、今日はこれまで。

【追記】
そういえば、20年ほど前にこんな本を読んだことがある。
なぜか手放せなくて、今もてもとにある。
内容は、今ではほとんど憶えていないが、これまた「目から鱗」の本だった印象がある。

『殺し合いが「市民」を生んだ いま「ヨーロッパ」が崩壊する(上)』
『「野蛮」が「文明」を生んだ いま「ヨーロッパ」が崩壊する(下)』

 光文社 KAPPA SCINCE  1994年刊
 執筆者 (上)栗本慎一郎、阿部勤也、樺山紘一、川上倫逸
  (下)栗本慎一郎、山内昌之、山口昌男

 

Europe_houkai

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