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2013年4月23日 (火)

【読】「おどろきの中国」読了

きのうと今日で、残っていた第3部、第4部をいっきに読んだ。
このところ本を読めない日が続いていたが、集中すれば読めるものである。

橋爪大三郎×大澤真幸×宮台真司
 『おどろきの中国』

 講談社現代新書2182 2013/2/20発行
 
 381ページ 900円(税別)

― 目次 ―
第1部 中国とはそもそも何か
 中国は「国家」なのか/二千年以上前に統一できたのはなぜか/政治的統一こそが根本/中国的生存戦略の起源/儒教はなぜ歴代政権に採用されたか/安全保障が何より大事/科挙と宦官の謎/ランキングへの異様なこだわり/漢字の秘密/日本人と漢字の関係/日中のリーダー観のちがい/個人救済としての道教
第2部 近代中国と毛沢東の謎
 なぜ近代化が遅れたのか/明治維新とどこがちがったか/中国人はいつ中国人になったのか/天の代替物としてのマルクス主義/中国共産党はどうして勝てたか/「指導部が正しい」というドグマ/毛沢東は伝統中国の皇帝か/毛沢東を欲求する社会/冷戦が終わっても共産党支配が崩れなかった理由/相転移する社会/日本よりも合理的な面/ナチズム、スターリニズムとのちがい/伝統主義か、近代主義か/生かす権力か、殺す権力か/文化大革命とは何だったのか/中華帝国の核心
第3部 日中の歴史問題をどう考えるか
 伝統中国は日本をどう見ていたか/中国人の認知地図/日本が大陸に進出した動機/近代の主権概念VS.東アジアの伝統/満洲国の建国/日中戦争とは何だったのか/日本人の傾向/過去を引き受けるために
 
第4部 中国のいま・日本のこれから
 「社会主義市場経済」の衝撃/鄧(とう)少平のプラグマティズム/中国の資本主義は張り子のトラか/共産党の支配は盤石か/民主化の可能性は?/中国は二十一世紀の覇権国になるか/日本は米中関係の付属物にすぎない/台湾問題/北朝鮮問題/日本がとるべき進路


三人の社会学者(橋爪大三郎、大澤真幸、宮台真司)の鼎談の結論は、つぎのようなものだろう。

<橋爪
 ……相手を理解する努力を日本がすべきです。中国は大きい国で、アメリカも大きい国なわけですから、両国をしっかり理解しないとダメ。「しっかり理解する」とは、知識の問題ではなく、こちらが人間として高まることを意味します。たとえば歴史問題を例にとると、歴史についてギャアギャア言われるので、日本人は、言い訳をしようと考える。そうじゃなくて、これをメッセージとして受け取らないとダメなんです。中国がなんで歴史問題をいろいろ言うか。それは、「歴史問題さえ片付けば、一緒にやりたいことがたくさんありますよ」と言っているんです。……
 靖国問題だってそうです。中国が靖国神社への「公式参拝」をうるさく非難し始めたのは、A級戦犯が合祀されてから。中国は、東京裁判を日中関係の基点としているから、A級戦犯にこだわらざるをえない。日本人にとってはうっとうしい話ですが、でもこれは裏を返せば、日本の一般国民が靖国神社に参拝することに、中国は文句を言っていないし、A級戦犯が合祀されていなければ、首相が公式参拝してもかまわない、ということなんです。中国としては注意深くハードルを下げているつもりなんです。……> (P.270)


おりしも、現職大臣や国会議員が「徒党を組んで」靖国神社に参拝し、中国や韓国の猛烈な反発をかっている。
参拝して何が悪い、と言うのだろうが、隣国との関係をどうするつもりなのか。
百歩譲って彼らなりの「信念」に基づいた行動だとしても、隣国を挑発することになるのがわからないのか、わかっていて敢えてそうしているのか……。
彼らの考えていることがわからない。
アホちゃうか、と思う。
これが日本の政治家の国際感覚のレベルか、と思うと、情けない。

東京新聞:超党派168議員 靖国参拝:政治(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013042302000235.html
東京新聞:靖国反発首相見誤る 韓国外相訪日見送り 対北連携にひび:政治(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013042302000127.html

この本で語られていることには、賛否両論があろう。
展開されている論旨の裏づけ(事実関係や文献・資料)について、読者がそれぞれあらてめて確かめることも必要だろう。
それでも、いろいろ気づかされることが多く、とても面白く読むことができた。

おなじく橋爪大三郎×大澤真幸の 『ふしぎなキリスト教』 (講談社現代新書・2011年5月) も面白そうなので買ってみた。

さて、なかなか読めなかった高橋哲哉  『靖国問題』 (ちくま新書)を、この機会に読んでみようかな。

<二十一世紀の今も、なお「問題」であり続ける「靖国」。「A級戦犯合祀」「政教分離」「首相参拝」んどの諸点については、いまも多くの意見が対立し、その議論は、多くの激しい「思い」を引き起こす。だが、その「思い」に共感するだけでは、あるいは「政治的決着」を図るだけでは、なんの解決にもならないだろう。本書では、靖国を具体的な歴史の場に置き直しながら、それが「国家」の装置としてどのような機能と役割を担ってきたのかを明らかにし、犀利な哲学的論理で解決の地平を示す。決定的論考。> (本書カヴァーより)

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