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2013年5月21日 (火)

【読】読了 「吉田茂と昭和史」

曇天ながら初夏のような陽気。
気温は27度ぐらいまであがった。

ほとんど外に出ないで、図書館から借りた本を読んだりして過ごした。

『吉田茂と昭和史』 (井上寿一/講談社現代新書) 読了。
後半、第Ⅳ章「復活を期して」から第Ⅴ章「戦前を生きる戦後の吉田茂」、第Ⅵ章「占領下の<自由>」、第Ⅶ章「敗戦国の<自立>」が面白かった。

敗戦後の降伏文書調印、日本国憲法制定、サンフランシスコ講和条約と日米安全保障条約締結などに果たした吉田茂の役割が、事細かに書かれている。
著者はあとがきで「吉田茂の評伝」を書きたかった、と言っているが、吉田茂にスポットを当てた戦後政治史、とも言える内容。
私がよくわかっていなかった戦後政治史のおさらいができたように思う。

また、山田風太郎や高見順、古川ロッパなどの敗戦直後の日記が引用されているのも、面白かった。

終章「『吉田ドクトリン』のゆくえ」に、こう書かれている。
2009年、この本が出版された頃の、この国の政治状況をふまえて。

<今、自民党政治が終わりに近づきつつある。吉田が生きていれば、どう思うだろうか。昭和30(1955)年の自由党と民主党の保守合同に反対した吉田のことだから、嘆いたり、悲しんだりしないことだけはまちがいない。代わりに、選挙に敗れれば、下野を勧めるかもしれない。保守新党の結成を呼びかけることもありうる。民主党との連立も辞さないだろう。…(中略)…そうだとすれば今日においても同様に、二大政党制に限らず、大連立などのさまざまな複数政党制の試行錯誤をくりかえしながら、日本の民主主義を鍛えていかなくてはならない。>
(本書 P.277~278)

皮肉なことに、その後の経過は筆者が見ていた4年前とは裏腹に、自民党の天下だ。
いまや、やりたい放題である。
民主党政権の自滅もあって、その反動がきているのか、支持率も異様に高い。
それをいいことに、どんどん危ない方向に進んでいる。

よくも悪くも日米関係のバランスをとって、現実的な路線をとろうとした(と、筆者はみている)「吉田ドクトリン」はどこへ行ったのか。

同じ時期に図書館から借りた別の本にも、ざっと目を通してみた。
まとめて、明日、返却しよう。

『新 私たちはどのような時代に生きているのか―1999から2003へ』
 辺見庸×高橋哲哉 岩波書店 2002年10月

<アフガン「報復戦争」に自衛艦が派遣され、有事法制・個人情報保護法案が国会で審議される2002年の日本。「ポイント・オブ・ノーリターン」を超えたこの国で、誰とどう闘うべきか? 「敵」はいったい誰なのか? 前回対談から3年を経て、気鋭の作家と哲学者が再び語り合う。前著『私たちはどのような時代に生きているのか』を併録。/有事法制・個人情報保護法案が国会で審議される2002年の日本で、「正義」を実践するとはどういうことなのか。1999年角川書店刊「私たちはどのような時代に生きているのか」に新たな対談を加えた増補・リメーク版。> ― Amazon ―

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