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2013年9月10日 (火)

【読】昭和三十年代の匂い

岡崎武志さんの文庫本を読んでいる。
これが、とても面白い。
「文庫王」の異名で知られる岡崎さんには、文庫がよく似合う。
ちくま文庫、というのもいいな。

岡崎武志 『昭和三十年代の匂い』
 ちくま文庫 2013/5/10発行 357ページ 900円(税別)
 親本(学研新書 2008年7月発行)の文庫化

<昭和三十年代は、子どもたちにとって毎日がワンダーランドだった? 大イベントだったテレビ購入、誕生日は不二家のお子様ランチ、土管のある空地が遊び場、くみとり便所の強烈な匂い…万博、アトム、レモン石鹸、トロリーバス。少年時代を大阪で過ごした著者による懐かしいだけでは語りきれない昭和の本当の生活と思い出たち。文庫化に際し新章の書下ろしと岡田斗司夫氏との巻末対談を収録。>

 

全16話、一話が10~20ページほどの、軽い読み物。
目次を見ただけで、私たちの世代には懐かしさがこみあげてくることだろう。
岡崎さんは、昭和32年生まれ。
私よりも五歳ほど歳下だが、ちょうど私の弟たちと同年代だ。

「ALWAYS 三丁目の夕日」という映画が、ひと頃人気だった(私は見ていないが、原作のマンガは知っている)。
岡崎さんは、あの映画に描かれた昭和三十年代には「ウソ」がある、それほどいい時代でもなかった、という指摘(山口文憲)を認めつつ、次のように書いている。 (「序 昭和三十年代への思い」)

<私は、映画 『三丁目の夕日』 は、それらのウソを飲み込んだ上で、わざと昭和三十年代を美しく謳いあげたのだと思っている。それはそれでいい。現実は、時代の停滞に閉塞感と絶望を覚え、誰もがやりきれない思いをしているのだから。/私が本書でこれから展開していく 「昭和三十年代」 の断片たちも、ノスタルジーというフィルターがかかっている。そのことを否定しない。なにしろ、高度成長期に未来を夢見たわれわれにとって、この時代は「陽のあたる坂道」だったのだ。…(以下略)>

目次
序 昭和三十年代への思い
1 エイトマンとたこ焼き
2 おはよう!こどもショーおよび米産アニメの声優
3 あの頃はまだ戦後だった
4 初めてのシングル盤
5 科学の未来が明るかった時代
6 わが家にテレビがやってきた
7 アメリカのホームドラマ
8 少年期を包んだ歌たち
9 お誕生日は不二家のお子様ランチ
10 マンガに見る日本の風景
11 誘拐、孤児、家出の願望
12 昭和三十年代の匂い
13 のら犬と子どもたち
14 大阪市電とトロリーバス
15 汲み取り便所が果たしたこと
16 おじさまの匂い
巻末対談 ぼくたち昭和三十年代の大阪っ子 ――岡田斗司夫さんと――

著者は大阪生まれなので、北海道で生まれた私とは育った環境が微妙にちがうが、私が子どもの頃に見聞きした事物のハナシが満載で、読んでいると嬉しくなる。

いい本です。

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