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2013年9月29日 (日)

【震】きのうの講演会

きのう、小平市中央図書館(視聴覚室)で開かれた講演会。
「みんなのとしょかん」プロジェクトを主宰されている、川端秀明さんが講師。

としょかんからはじまるコミュニティ
     ~被災地での図書館の役割~

講師  川端秀明さん
     一般社団法人 「みんなのとしょかん」 代表理事
日時  2013年9月28日(土)14:00~16:00
会場  小平市中央図書館  3階視聴覚室
主催  小平図書館友の会

201309280012

1時間15分ほどのお話しと、残り45分ほどの質疑応答。
川端さんのお話しがとてもわかりやすく、その内容も興味深いもので、感銘を受けた。

講演会のタイトルは
  「としょかんからはじまるコミュニティ」 ~被災地での図書館の役割~

漢字の「図書館」ではなく、ひらがなで 「としょかん」 と呼ぶのは、あくまでも仮設図書館という位置付けだから。
きちんとした図書館を作ることではなく、地域のコミュニティの中心になる「場」 をまず作る、ということだろう。

川端さんの 「みんなのとしょかん」プロジェクト では、震災直後の2011年5月から、これまで、東日本大震災の被災地に13か所の「としょかん」を作ってきた(2013年9月現在)。
震災前には公立図書館などなかった地域が大半だ。

詳しくは、「みんなのとしょかんプロジェクト」のサイトに掲載されている。
 ↓
みんなのとしょかんプロジェクト | としょかんから始まるコミュニティづくり
http://www.mintosho.org/

「活動記録」のページから、その実績を引用させていただくと――
石巻市 湊中学校内
石巻市 河北地区福地
石巻市 渡波地区
東松島市 大塩地区
大船渡市 綾里地区
亘理町 亘理いちごっこ様内
亘理町 公共仮設ゾーン集会所内
石巻市 トゥモロービジネスタウン集会所内
石巻市 立町 石巻センター館設置
東松島市ひまわり集会所 再建工事
福島県南相馬市 ふくしまインドアパーク内
宮城県山元町 普門寺さま境内
宮城県山元町 山下駅近郊

川端さんのお話しのなかで、ことに印象深かったのは、地域の人たちの自主性を重視していることだった。
いただいたパンフレットに、「としょかんが出来るまで」として7つのステップが記載されている。
講演でも、この点を強調されていた。

Mintosho_pamph

以下、講演会で話された内容を要約する。
「みんなのとしょかんプロジェクト」を略して「みんとしょ」と記載。
(私の記憶とメモから起こしたもので、パンフレットに記載された7つのステップとは必ずしも合致しないことを、断っておく)

1. 地域から「としょかん」を建てたい、という声を受ける
  「みんとしょ」側から一方的に提案することはない
2. 設置場所と完成予定日(ゴール)を決める
3. どんな「としょかん」にしたいのか話し合う
  地域性を考慮したデザインなども
4. 資金集め、設置方法の検討
  資金の10%程度は地域で現地負担してもらうのが原則 (これが大切)
5. チームを作る
  地域で無理なく管理できるグループによる運営
6. 設置に向けてボランティアを集める
7. 一日で作り上げる
  基礎的な工事は事前に行うが、最後はみんなに「ゴール」を見てもらうために
  一日で作りあげる
  そうすることで、できあがった「としょかん」を大切にしてもらえる

すばらしいコンセプトではなかろうか。
もちろん、ここに至るまで、幾多の失敗もあったという。

じつは、このやり方、アメリカのある運動(NPO法人)から学んだものだという。
それは、「カブーム」というもの。

以下、ネット検索でみつけたサイトから転載(改行を加えた)。

「公園造り」で全米2000以上の地域コミュニティを再生した非営利団体がある!  | 市川裕康「デジタル・キュレーション」 | 現代ビジネス [講談社]
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/33324

<カブーム!とは、簡単に言うと、全米各地に公園を造ることで子供たちに遊び場を提供する非営利法人です。
 この団体名、日本人にはほとんど馴染みのない言葉ですが、もともと「Kaboom!」とは、英語の漫画で吹き出しなどに使われる「どっか~ん!」という爆発音を意味しています。
 カブーム!の公園造りの方法はきわめてユニークです。
彼らのプロジェクトでは、まず地域のコミュニティが数ヵ月の時間をかけて知恵とお金を集め、資材などを準備します。
 そして、ある1日を「建設の日」と決めて、その日だけで一気に公園を完成させてしまうのです。
 「建設の日」が終わる際には、みんなが描いていた公園造りの夢が「どっか~ん!」と実現している・・・。団体名はそこに由来しています。>

なるほど、と納得。

なぜ、コミュニティの中心として 「としょかん」 を? という質問に対して、川端さんは、本のある空間(としょかん=図書館)が、いちばん人が集まりやすいから、とおっしゃる。
被災地に建てられた 「としょかん」 には、子どもたちから高齢者まで、地域の人たちが気軽に集まり、本を借りたり読んだりするだけでなく、さまざまな催しや活動にも利用される。

私たちの周りにある公立図書館や学校図書館では、こうはいかないだろう。
飲食や会話が制限された静かな空間(本だけは豊富にある)が、コミュニティの中心にはなり得ない。
残念だが、これが現状だ。
(一部に、コミュニティセンター的な図書館を目指す動きが出はじめてはいるが)

川端さんのお話しでもうひとつ印象に残ったのは、被災地だけでなく、他の、高齢化によって過疎化が進む地域でも同じ問題が起きているし、私たちの住む地域も他人ごとではない、ということ。
被災地支援を越えて、これからのコミュニティのあり方を考えさせられる。

こういう運動を見ていると、諦めずに前向きに考えて行動していくことが大切なんだなあ、と痛感。
いい講演会だった。

最後に、「みんなのとしょかんプロジェクト」 のサイトから ――
(「みんなのとしょかんとは」のページ内、どうして「としょかん」をつくるの? から)
http://www.mintosho.org/about

「誰でも来ることが出来る場所を地域に作りたい」
それが目的です。

現在の被災地や過疎の地域には、
「ちょっと一人になりたい」とき、
逆に「誰かがいる場所へ行きたい」とき、
「自分の時間を過ごしたい」ときなどに、
気兼ねなく行ける場所はあまりありません。

(略)

「誰が行っても気兼ねをしない、
誰がいても問題ない、
誰と行っても構わない」
そんな場所はどこだろう?
と考えたとき、
図書館という場所は、その場所に最も近い存在だと
思います。

(略)

でも、時代の変化に伴い、自治会や町内会など、
既存のコミュニティが徐々に揺らぎつつある中、
それでも一人で生きていくのは困難な時代で、
地域の方が、気負わずに、ごく自然につながることが
出来る場所を作りたい、、
そして、様々な情報があるこの場所で、何かをはじめてみよう、
というきっかけを提供したい。

それが「としょかん」をつくる理由です。
図書館が出来て、毛嫌いする人は
あまりいませんので。。。

この課題は、何も被災地だけのものではありません。
地域に住む方々の繋がりが徐々に希薄になる中で、
高齢化を迎え、人口減少が進むすべての地域において、
地域コミュニティをどう作っていくか?
避けることが出来ない課題だと思います。

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