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2013年10月10日 (木)

【読】「知の逆転」を読みはじめる

『永続敗戦論 ―戦後日本の核心』 (白井聡)は、ひと通り読み通した後で、第一章だけもう一度読み直してみた。

著者のいう「永続敗戦」、「際限のない対米従属」を続けるこの国、という捉え方に、同意できる。
「私らは侮辱のなかに生きている」――大江健三郎が、2012年7月16日の「さようなら原発10万人集会」で中野重治の言葉を引いて言ったこと、として紹介されている――とは、キツイ指摘だが、当を得ている。

たしかに、私たちは虚仮にされているのだろう。
それは、「3・11」以降のこの国の動きに、如実にあらわれてきている。
著者の言う「本音モード」――これまで建前としてきたことをかなぐり捨て、本音をむき出しにした露骨な動き――が目につく昨今。

この国の政府、財界、マスメディア、大学・研究機関のひどさ加減が、具体例をあげて糾弾されている。

・SPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)の例  (本書P.7)
・「想定外」という言葉 (P.8)
・東電による「(放射性物質は)もともと無主物であったと考えるのが実態に即している」発言 (P.10)
・復興予算流用問題 (P.11)
・日本気象学会理事長による学会会員に向けての発言――「放射線の影響予測については、……文部科学省等が信頼できる予測システムを整備しており、その予測に基づいて適切な防災情報が提供されることになっています」、だから、「学会関係者が”不確実性を伴う”情報を提供することは慎むべし」 (P.12)
等々。

もう、大方忘れられているかもしれないが、思い返せば気の滅入るようなことばかり。
ひどいことだが、これが現実。
今も状況は、さして変わらない。
考えさせられることが多い。

二章以降は、またいつか読み直してみよう。

白井 聡 『永続敗戦論 ――戦後日本の核心』
 太田出版 (atプラス叢書 04) 2013/3/27発行
 221ページ 1,700円(税別)

【目次】
第一章 「戦後」の終わり
 第一節 「私らは侮辱のなかに生きている」――ポスト3・11の経験
 第二節 「戦後」の終わり
 第三節 永続敗戦
第二章 「戦後の終わり」を告げるもの――対外関係の諸問題
 第一節 領土問題の本質
 第二節 北朝鮮問題に見る永続敗戦
第三章 戦後の「国体」としての永続敗戦
 第一節 アメリカの影
 第二節 何が勝利してきたのか
エピローグ ―― 三つの光景
あとがき

次に読んでいるのが、下の本。
小平図書館友の会、読書サークルの課題本にあげられているので、買ってみた。
これも示唆に富んだインタビュー集。
私が買ったときは、すでに第7刷(2013/3/15)に達していて、よく売れている本だ。

『知の逆転』
 吉成真由美 インタビュー・編

 NHK出版新書 395
 2012/12/10発行 301ページ 860円(税別)
ジャレッド・ダイアモンド Jared Diamond
ノーム・チョムスキー Noam Chomsky
オリバー・サックス Oliver Sacks
マービン・ミンスキー Marvin Minsky
トム・レイトン Tom Leighton
ジェームズ・ワトソン James D. Watson

米国の「知性」たちによる良心的な発言には、ハッと気づかされることが多く、救われる気がする。

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