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2013年11月29日 (金)

【読】東電テレビ会議

きのう、図書館から借りたばかりの本。
私にはめずらしく、一日で一気に読み終えた。

朝日新聞社 『検証 東電テレビ会議』
 朝日新聞出版社 2012/12/30発行
 325ページ 1,400円(税別)

2011年3月、福島第一原子力発電所事故当時の、東京電力テレビ会議映像を検証し、まとめたもの。
東電は、事故を起こした福島第一原発と、東京都千代田区の東電本社、前線本部になるはずだったオフサイトセンター、福島第二原発、そして新潟県の柏崎刈羽原発を、テレビ会議システムで結んで事故収束にあたっていた。

本書は、東電が報道関係者に限定して公開(視聴のみ)した録画映像を丹念に分析し、まとめたものだ。
しかしながら、東電という会社の困った体質で、録画映像のすべては公開されず、また、公開された映像の一部にボカシが入っていたり、音声の一部が「ピー音」で消されたり、という操作が加えられている。

それでも、緊迫した事故現場と、東電本社の混乱ぶりがよく伝わってくる。
当時の福島第一原発所長・吉田昌郎(よしだ・まさお)氏=故人は、よくやったと思う。

「でたらめ」などと揶揄された、当時の原子力安全委員会会長・斑目(まだらめ)春樹氏による、ミス・リードとも思える現場への指示なども、、よくわかった。

もっとひどいのは、当時の東電社長・清水正孝氏の右往左往ぶりだ。
慶応大学経済学部卒業で、資材畑で仕事をしていたこの人に、原発の技術的な知識を求めるのは無理ではあるが、経営トップの事故対応としては、あまりにもひどい。

事故当時、本社の緊急対策本部で指揮にあたっていたのは、当時の小森明生常務(東大工学部卒、福島第一原発所長を経て、原子力・立地本部野副本部長を兼任する常務取締役)、高橋昭男フェロー(福島第二原発や柏崎刈羽原発所長を歴任)、それに、武黒一郎フェロー(東大工学部卒、柏崎刈羽原発所長や原子力・立地本部長などを歴任)の三人だったようだ。

どのような理由で、テレビ会議などという悠長なコミュニケーション手段に頼って、現場(福島第一原発)とのやりとりを続けたのか、私にはわからない。
今となってはもう遅いが、なぜ、もっと現地に近い場所で事故の推移を把握して適切な手段を講じなかったのか。
現場の所長はじめ作業員の決死の作業がひしひしと伝わってくるだけに、東電本社や当時の政府の右往左往、無能ぶりが浮き彫りになる。

【参考】 東電がネットで一般公開している映像
東京電力 写真・動画集| テレビ会議録画映像(事故発災~平成23年3月15日:161箇所)
http://photo.tepco.co.jp/date/2012/201210-j/121005-01j.htm
東京電力 写真・動画集| テレビ会議録画映像の開示(第2回)(平成23年3月16日~4月11日:155箇所)
http://photo.tepco.co.jp/date/2013/201303-j/130306-01j.html

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