【読】2013年総集編(読書)
ここ何年ものあいだ、年間100冊ぐらいの本を読みたいと思いながら、なかなか達成できない。
今年は56冊だった。
例年と比べても、すこし少なめ。
平均すると一週間に一冊ぐらいのペースだが、立て続けに読んだ時期もあれば、まったく読めなかったときもある。
本を読むには「勢い」も必要なんだな。
今年、印象に残った本をいくつか。
アメリカの歴史学者 ジョン.W.ダワー(John W Dower)の本を何冊か読んだ。
日本の近現代史を考え直すきっかけになった。
ジョン・ダワー 『増補版 敗北を抱きしめて(上)』
三浦陽一・高杉忠明 訳 岩波書店 2004年1月発行 本文355ページ
ジョン・ダワー 『増補版 敗北を抱きしめて(下)』
三浦陽一・高杉忠明・田代泰子 訳 岩波書店 2004年1月発行 本文397ページ
ジョン・W・ダワー 『昭和 ― 戦争と平和の日本』
明田川融(あけたがわ・とおる)監訳 みすず書房 2010年2月発行 291ページ
ジョン・W・ダワー 『忘却のしかた、記憶のしかた ― 日本・アメリカ・戦争』
外岡秀俊 訳 岩波書店 2013年8月発行 343ページ
これらは図書館から借りて読んだが、下の文庫本は購入したものの、まだ読んでいない。
ジョン・ダワー 『容赦なき戦争 ― 太平洋戦争における人種差別』
猿谷要 監修/斎藤元一 訳 平凡社ライブラリー 2001年12月発行 544ページ
先の戦争に関する次の本も、目を見開かされる内容だった。
オランダのジャーナリスト イアン・ブルマ(Ian Buruma)が書いたもの。
外国人の目から日本という国、日本人がどのように見えるのか、示唆に富んでいて興味ぶかかった。
イアン・ブルマ 『戦争の記憶 日本人とドイツ人』
石井信平 訳 TBSブリタニカ 1994年12月発行 396ページ
硬い本ばかり続いたが、少し柔らかい本を。
南伸坊 『装丁』 フレーベル館 2001年3月発行 231ページ
ずいぶん前に古本屋で見かけて買ってあったものを、ようやく通して読んだ。
といっても図版が多く、南伸坊の洒脱な文章とともに楽しんだ。
「こちとら装丁だい」という啖呵が気に入った。
装幀家と気取らずに、園丁などのノリで「装丁」というのだ。
書評家 岡崎武志さんの本も何冊か読んだが、次の本が面白かった。
岡崎武志 『ご家庭にあった本 ― 古本で見る昭和の生活』
筑摩書房 2012年3月発行 269ページ
私の好きな関野吉晴さんの対談集も、よかった。
図書館から借りて読んだのだが、気に入ったので購入。
関野吉晴 他 『人類滅亡を避ける道 ― 関野吉晴対論集』
東海教育研究所 2013年4月発行 277ページ
今年うれしかったのは、船戸与一さんの超長編小説 『満州国演義』 の8巻目が上梓されたことだ。
(まだ読んでいない)
2007年4月に一巻目が発売されてから、かれこれ6年。
7巻目が出たのが昨年6月。
船戸さんは闘病中と聞く。
執念で完結させてもらいたい、と切に願う。
船戸与一 『満州国演義 8 南冥の雫』
新潮社 2013年12月発売
これらを読んだときの感想は、ブログの 【読】読書日誌 というカテゴリで読めます。
興味をもたれた方は、どうぞ。
件数が多いので、探すのがたいへんかもしれませんが……。
カテゴリー「【読】読書日誌」の957件の記事
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/cat5432967/index.html
【追記】 上記以外に今年読み終えた本
(これ以外に途中で読むのをやめたり、一部分だけ読んだ本もある)
◆開沼博 『「フクシマ」論』 青土社 2011年
◆上橋菜穂子 『隣のアボリジニ ― 小さな町に暮らす先住民』 ちくまプリマーブックス137 2000年
◆佐藤栄佐久 『福島原発の真実』 平凡社新書594 2011年
◆小出裕章 『原発はいらない』 幻冬舎ルネッサンス新書044 2011年
◆有馬哲夫 『原発・正力・CIA― 機密文書で読む昭和裏面史』 新潮新書249 2008年
◆内田樹/小田嶋隆/平川克美/町山智浩 『9条どうでしょう』 ちくま文庫 2012年
◆松本健一 『畏るべき昭和天皇』 毎日新聞社 2007年 315ページ (再読)
◆船戸与一 『満州国演義 7 雷の波濤』 新潮社 2012年 477ページ
◆陶山幾朗/編集・構成 『内村剛介ロングインタビュー 生き急ぎ、感じせく ― 私の二十世紀』 恵雅堂出版 2008年
◆松原久子/田中敏(訳) 『驕れる白人と闘うための日本近代史』 文藝春秋 2005年 237ページ
◆橋爪大三郎・大澤真幸・宮台真司 『おどろきの中国』 講談社現代新書2182 2013年 381ページ
◆高橋哲哉 『靖国問題』 ちくま新書532 2005年 238ページ
◆孫崎享 『日米同盟の正体― 迷走する安全保障』 講談社現代新書1985 2009年 277ページ
◆井上寿一 『吉田茂と昭和史』 講談社現代新書1999 2009年 292ページ
◆ロナルド・ドーア 『日本の転機 ― 米中の狭間でどう生き残るか』 ちくま新書984 2012年 244ページ
◆羽根田治・飯田肇・金田正樹・山本正嘉 『トムラウシ遭難はなぜ起きたのか』 ヤマケイ文庫 2012年 365ページ
◆岡本太郎 『沖縄文化論 ― 忘れられた日本』 中公文庫 1996年 261ページ
◆赤坂憲雄 『岡本太郎の見た日本』 岩波書店 2007年 375ページ
◆赤瀬川原平 『「墓活」論』 PHP研究所 2012年 255ページ
◆椎名誠 『ぼくがいま、死について思うこと』 新潮社 2013年 190ページ
◆デボラ・ブラム/鈴木恵 訳 『幽霊を捕まえようとした科学者たち』("GOHST HUNTERS") 文藝春秋 2007年 430ページ+原註29ページ
◆勢古浩爾 『定年後のリアル』 草思社文庫 2013年 (再読)
◆エリック・ホッファー 『エリック・ホッファー自伝 ― 構想された真実』 作品社 2002年 189ページ
◆河北新報社 『河北新報のいちばん長い日 震災下の地元紙』 文藝春秋 2011年 269ページ
◆アルフレッド・ランシング 『エンデュアランス号漂流』 山本光伸 訳 新潮社 1998年 372ページ
◆ジョン・ガイガー/伊豆原 弓 訳 『奇跡の生還へ導く人 ― 極限状況の「サードマン現象」』 新潮社 2010年 255ページ
◆ジェニファー・アームストロング/灰島かをり 訳 『そして、奇跡は起こった! ― シャクルトン隊、全員帰還』 評論社 2000/9 253ページ
◆ケリー・テイラー=ルイス/奥田祐士 訳 『シャクルトンに消された男たち ― 南極横断隊の悲劇』 文藝春秋 2007年 357ページ
◆岡崎武志 『蔵書の苦しみ』 光文社新書652 2013年 251ページ
◆岡崎武志 『読書の腕前』 光文社新書294 2007年 294ページ
◆岡崎武志 『昭和三十年代の匂い』 ちくま文庫 2013年 357ページ
◆北方謙三 『林蔵の貌』(上) 集英社文庫 1996年 404ページ
◆北方謙三 『林蔵の貌』(下) 集英社文庫 1996年 382ページ
◆小谷野敦 『間宮林蔵<隠密説>の虚実』 教育出版(江戸東京ライブラリー 1) 1998年 185ページ
◆髙橋大輔 『間宮林蔵・探検家一代 ― 海峡発見と北方民族』 中公新書ラクレ 2008年 268ページ
◆白井聡 『永続敗戦論 ― 戦後日本の核心』 大田出版(atプラス叢書 04) 2013年 221ページ
◆吉成真由美 インタビュー・編 『知の逆転』 NHK出版新書395 2012年 301ページ ジャレッド・ダイアモンド/ノーム・チョムスキー/オリバー・サックス/マービン・ミンスキー/トム・レイトン/ジェームズ・ワトソン
◆佐江衆一 『北海道人 ― 松浦武四郎』 新人物往来社 1999年 329ページ
◆池澤夏樹 『文明の渚』 岩波ブックレット864 2013年 63ページ
◆松岡正剛 『17歳のための 世界と日本の見方 ― セイゴオ先生の人間文化講義』 春秋社 2006年 363ページ
◆井上真琴 『図書館に訊け!』 ちくま新書486 2004年 253ページ
◆朝日新聞社 『検証 東電テレビ会議』 朝日新聞出版社 2012年 325ページ
◆松岡正剛 『多読術』 ちくまプリマー新書106 2009年 205ページ
◆安冨 歩 『原発危機と「東大話法」 ― 傍観者の論理・欺瞞の言語』 明石書店 2012年 270ページ
◆福島民報社編集局 『福島と原発 ―誘致から大震災への五十年』 早稲田大学出版社 2013年 451ページ
◆細野豪志×鳥越俊太郎 『証言 細野豪志 「原発危機500日」の真実に鳥越俊太郎が迫る』 講談社 2012年 285ページ
◆中日新聞社会部編 『日米同盟と原発 ― 隠された核の戦後史』 東京新聞 2013年 293ページ
◆あさのあつこ/池澤夏樹 他 『特別授業 3.11 君たちはどう生きるか』 河出書房新社 2012年 245ページ
| 固定リンク | 0
「【読】読書日誌」カテゴリの記事
- 【読】2024年8月に読んだ本(読書メーター)(2024.09.01)
- 【読】2024年7月に読んだ本(読書メーター)(2024.08.01)
- 再読 服部文祥『北海道犬旅サバイバル』(続々・終)(2024.07.21)
- 再読 服部文祥『北海道犬旅サバイバル』(続)(2024.07.21)
- 再読 服部文祥『北海道犬旅サバイバル』(2024.07.21)
「船戸与一」カテゴリの記事
- 【読】探し続けていた本(2023.12.28)
- 【読】北方謙三と船戸与一(2023.01.06)
- 【読】Book Cover Challenge 1冊目(2020.05.10)
- 【雑】2017年の思い出 (3)(2017.12.30)
- 【遊】長倉洋海さんの写真展へ(2017.05.15)
「こんな本を読んだ」カテゴリの記事
- 【読】2024年8月に読んだ本(読書メーター)(2024.09.01)
- 【読】2024年7月に読んだ本(読書メーター)(2024.08.01)
- 再読 服部文祥『北海道犬旅サバイバル』(続々・終)(2024.07.21)
- 再読 服部文祥『北海道犬旅サバイバル』(続)(2024.07.21)
- 再読 服部文祥『北海道犬旅サバイバル』(2024.07.21)
「あの戦争」カテゴリの記事
- 【読】「パレスチナ 戦火の中の子どもたち」(古居みずえ)(2023.11.13)
- 【演】ガザの戦争と沖縄戦(2本の映画)(2023.11.12)
- 【読】図書館にリクエストしたのはいいけれど(いつか読みたい本)(2023.09.17)
- 【読】2021年12月に読んだ本(読書メーター)(2022.01.01)
- 【読】2021年 ぼちぼちいこうか総集編(今年読んだ本)その2(2021.12.27)
「関野吉晴」カテゴリの記事
- 【雑】地球永住計画2024.4.11(宇梶静江さん)(2024.04.15)
- 【遊】2022年に行ったイベント(2022.12.26)
- 【読】いつも読みたい本ばかり(2022年総集編に代えて)(2022.12.25)
- 【雑】関野吉晴さんと服部文祥さんのトークイベント(2022/10/21武蔵野プレイス)(2022.11.01)
- 【雑】2020年を振り返る -2月-(2020.12.29)
「岡崎武志」カテゴリの記事
- 【読】2024年2月に読んだ本(読書メーター)(2024.03.01)
- 【読】2023年総集編(イベント編)(2023.12.31)
- 【読】2023年3月に読んだ本(読書メーター)(2023.04.01)
- 【読】いつも読みたい本ばかり(2022年総集編に代えて)(2022.12.25)
- 【読】2022年1月に読んだ本(読書メーター)(2022.02.01)
「松岡正剛」カテゴリの記事
- 【読】2014年総集編(こんな本と出会った)(2014.12.29)
- 【読】難しいけれど面白い本(2014.12.01)
- 【読】震災と原発事故――セイゴオさんのブックガイド(2014.01.16)
- 【読】セイゴオさんのブックガイド 「3・11を読む」(2014.01.14)
- 【読】2013年総集編(読書)(2013.12.30)
「内田樹」カテゴリの記事
- 【読】2024年6月に読んだ本(読書メーター)(2024.07.01)
- 【読】2016年総集編 今年読んだ本(2016.12.31)
- 【読】ついに完結 「満州国演義」(2015.02.02)
- 【読】2014年総集編(こんな本と出会った)(2014.12.29)
- 【読】読書会(2014.11.16)
コメント