【読】震災と原発事故――セイゴオさんのブックガイド
今夜も冷える。
昼間はよく晴れて、夕焼けがきれいだった。
満月。
午後、立川の総合病院へ。
眼科の視野検査。
白内障やら緑内障やら、この年齢になるといろいろある。
ひさしぶりにバスで立川にでた。
立川駅前まで30分ほどバスに乗るので、読みかけの本を持っていった。
読み応えあり。
松岡正剛 『千夜千冊番外録 3・11を読む』
平凡社 2012/7/11発行 430ページ 1,800円(税別)
正剛さんの「本読み」は、さすが。
この本、単なるブックガイドではなく、正剛さんによる「まとめ」から、たくさんのことを知ることができる。
たとえば、プルトニウムに関するこんな知識。
要点がうまくまとめられていて、何冊もの書物を読むより、この数行だけですんなり理解できる。
<プルトニウムは原爆開発のために人工的につくられた元素である。核分裂性と毒性がやたらに高い物質で、核兵器の大半に使われる。たった一グラムでも人の命を脅かす。そのプルトニウムが、なぜ原発と関係があるのか。
もともと原子炉による原子力発電には、ウラン235とウラン238が使われてきた。この数字は原子核をつくる粒子、すなわち陽子+中性子の数をいう。ウラン235に中性子が衝突すると原子核が分裂して熱を出す。ウラン238に中性子が衝突しても核分裂はあまりおこらず、そのかわりに中性子を吸収してごく短時間でプルトニウム239に変化することが多い。
そのプルトニウムに中性子が衝突すると原子核が分裂して熱を出す。これらの熱を利用して蒸気をつくり、タービンを回すのが原子力発電の基本原理になっている。>
(本書 P.147 高木仁三郎 『原発事故はなぜくりかえすのか』 岩波新書)
高木仁三郎氏のこの本を私はまだ読んでいないが(持ってはいるが)、正剛さんのまとめ方が上手なため、原書を読んだ気になる。
また、ロザリー・バーテルという「反核シスター」と呼ばれるアメリカ女性の著書なども紹介していて、勉強になる。
(『反核シスター ロザリー・バーテルの軌跡』 緑風出版 2008年)
松岡正剛さんのこの本。
ざっと読み流そうと思っていたのだが、じっくり読むことになってしまいそうだ。
本の内容については、一昨日のブログ記事をご覧いただきたい。
→ 【読】セイゴオさんのブックガイド 「3・11を読む」
http://yamaoji.cocolog-nifty.com/blog/2014/01/311-d0ea.html
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