【読】「降りる思想」
台風一過。
30度を超える暑さがもどってきた。
外は熱風が吹き荒れている。
図書館から借りてきた本を読んでいる。
田中優子さんと辻信一さんの対談。
これが面白い。
東日本大震災から一年後に行われたという対談。
「上昇」ではなく「下降」、「前へ」ではなく「後ろへ」。
「成長」神話に否を唱える。
基本的には、二人の対話に共感するのだが……なかなか難しいことだな、と思いながら読んでいる。
老眼が進んでいるようで、ちいさな活字を読むのがつらい。
100円ショップで老眼鏡を見てきたが、自分の目に合うものがわからず、買わずに帰ってきた。
田中優子・辻信一 『降りる思想 ――江戸・ブータンに学ぶ』
大月書店 2012/10/19発行 223ページ 1,700円(税別)
― e-honサイトより ―
今、大きな「転換」のとき。3・11後を生きる知恵がここにある。「さがる」のでも「おちる」のでもなく、ぼくたちは降りていく。人間の本性へと、自然へと、いのちへと、―懐かしいつながりへの下降。
[目次]
はじめに 「降りる」ということ
第1章 3・11後の世界と自分
第2章 江戸・ブータンへの道のり
第3章 江戸時代から考えるスローライフ
第4章 ブータン探訪記
終章 サティシュ・クマールに導かれて
おわりに わたしたちの降りる場所
この中で紹介されている本。
たしか持っていたはずだと、本棚を探したら、みつかった。
危うくもう一冊買ってしまうところだった。
読まなくちゃ。
田中優子 『未来のための江戸学 ――この国のカタチをどう作るのか』
小学館101新書 2009/10/6発行 253ページ 740円(税別)
もう一冊。
これは現在入手できないようなので、図書館から借りてみようと思う。
『ラダック 懐かしい未来』
ヘレナ・ノーバーグ・ホッジ/著 『懐かしい未来』翻訳委員会/訳
山と溪谷社 2003年 1,728円
『懐かしい未来 ラダックから学ぶ』
ヘレナ・ノーバーグ・ホッジ
懐かしい未来の本 増補改訂初版 2011年
― Amazonより ―
ヒマラヤの辺境ラダックにおけるつつましくも豊かな暮らしと、そこに襲い掛かった近代化と開発の嵐。貨幣経済に頼らずに、ほとんどすべての生活を自給自足によってまかなっていた理想郷に突然入り込んだグローバリゼーションの弊害。
「わたしたちの中に貧困はありません」と胸を張っていた青年が、わずか数年後に「貧しいラダックにはあななたちの助けが必要なのです」と援助を懇願する。ここには近代化、西欧化の根本的な問題点が、まるでむき出しになった地層のようにあらわにされています。
貨幣経済が貧富の差をもたらし、グローバル経済が本来不要なものへの欲求を生み出し、人々から時間と幸福を奪う。
著者は失われた幸福を惜しむだけではなく、グローバリゼーションの本質と、それを超える道を実証的に明らかにすることを決意。ラダックに息づく深い伝統的な智恵が、その新たな道を進む鍵であることを示唆しています。
ヘレナ・ノーバーグ=ホッジ
スウェーデン生まれ。言語学者。ISEC(エコロジーと文化のための国際協会)代表。グローバリゼーションに対する問題提起や啓発活動を行っている世界的なオピニオンリーダーの一人。1975年にラダックに入り、ラダック語・英語辞書を作成。もうひとつのノーベル賞と呼ばれるライト・ライブリーフッド賞を1986年に受賞。
さらに、もう一冊。
聞いたことはあるが、まだ読んだことがない。
これも隣接市の図書館にあったので、予約取り寄せ。
『スモール イズ ビューティフル ――人間中心の経済学』
F・アーンスト・シューマッハー/著 小島 慶三、酒井 懋/訳
講談社学術文庫 1986年
― e-honサイトより ―
1973年、シューマッハーが本書で警告した石油危機はたちまち現実のものとなり、本書は一躍世界のベストセラーに、そして彼は“現代の予言者”となった。現代文明の根底にある物質至上主義と科学技術の巨大信仰を痛撃しながら、体制を越えた産業社会の病根を抉ったその内容から、いまや「スモール・イズ・ビューティフル」は真に新しい人間社会への道を探る人びとの合い言葉になっている。現代の知的革新の名著、待望の新訳成る!
[目次]
第1部 現代世界
生産の問題
平和と永続性
経済学の役割
仏教経済学
規模の問題
第2部 資源
教育―最大の資源
正しい土地利用
工業資源
原子力―救いか呪いか
人間の顔をもった技術
第3部 第三世界
開発
中間技術の開発を必要とする社会・経済問題
200万の農村
インドの失業問題
第4部 組織と所有権
未来予言の機械
大規模組織の理論
社会主義
所有権
新しい所有の形態
シューマッハーの人と思想
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