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2014年10月 4日 (土)

【読】気になっていた本を読む

昨日、相模原のコンビニの駐車場で新書を一冊読了。

タイトルに惹かれて買ってみた本。
読みはじめたのは三日前だが、後半は一気に読みおえた。

徳山喜雄 『安倍官邸と新聞――「二極化する報道」の危機』
 集英社新書 0751A 2014/8/17発行 253ページ 760円(税別)

― e-honサイトより ―
[要旨]
憲法改正、集団的自衛権、秘密保護法、靖国参拝、アベノミクス、対中・対米外交…。新聞は、それらをどのように報じた(報じなかった)のか。主要紙は「読売・産経・日経」vs「朝日・毎日・東京」という構図で分断され、相反する主張や論調が日々飛び交うなかで、私たちは何を信じればいいのか?本書では、各紙の報道の“背景”を読みとり、立体的に情報を収集するコツを、実際の記事に即して具体的に解説。また、安倍官邸の巧妙なメディア操作の手法についても分析を加える。この一冊で「新聞の読み方」が変わる!
[目次]
第1章 「改憲」へのスタンス
第2章 秘密保護法をめぐる報道
第3章 二分化する集団的自衛権報道
第4章 靖国神社参拝とNHK会長騒動
第5章 原発とどう向き合うか
第6章 アベノミクスと経済報道
第7章 外交報道の読み解き方

それほど新しい知見は得られなかったが、面白かった。

読売・産経・日経VS朝日・毎日・東京という構図で、新聞報道が偏っている、ということは、私も感じ続けていたこと。

朝日新聞の迷走ぶり、もしくは、腰の引けた報道が、感じられる。
私自身は、朝日から東京へ乗り換えた組だ。

読売を購読していた時期もあったが(特別な事情があった)、全国紙なら毎日を購読してもいいかな、と思う。

第7章で触れられている、中国のアフリカ外交についての記述が、興味ぶかかった。
新聞ではあまり報道されていないが、なりふり構わない中国のアフリカ外交が、不気味だ。


今日は、買ってあった内田樹さんの新刊を読んだ。
薄手のブックレットなので、数時間で読みおえた。

内田樹 『憲法の「空語」を充たすために』
 かもがわ出版 2014/8/15発行 95ページ 900円(税別)

― e-honサイトより ―
[要旨]
日本はいま、民主制から独裁制に移行しつつある―著者初の本格的憲法論。日本の民主制と憲法の本質的脆弱性を考える。
[目次]
1 「日本国民」とは何か
 神戸憲法集会について
 公務員には憲法尊重擁護義務がある
 敗戦国の中での日本の特異性
 日本国憲法のもっていた本質的な脆弱性
 憲法九条にはノーベル平和賞の資格十分
 憲法の主語はそれにふさわしい重みを獲得していない
2 法治国家から人治国家へ
 法治から人治への変質
 株式会社的マインドが日本人の基本マインドに
 メディアが方向づけした「ねじれ国会」の愚論
 国家の統治者が株式会社の論理で政治を行うことのいかがわしさ
 「日本のシンガポール化」趨勢
3 グローバル化と国民国家の解体過程
 自民党改憲草案二二条が意味すること
 グローバル資本主義にとって障害になった国民国家
 「日本の企業」だと名乗るグローバル企業の言い分

講演録(2014年5月3日の神戸憲法集会での記念講演)のため、話し言葉で書かれていて、読みやすい。

日本国憲法については、なんとなく私が考えていたことがあり、内田さんの明快な語りによって、それがはっきりしてきた。

タイトルの「空語」とは、こういうことだろう(引用中の太字は、原文では傍点)――。

憲法が確定された1946年の段階では、「日本国民」という実体はありませんでした。「日本ん国民とは私のことである」と言える人はひとりもいませんでした。「日本国民」という空虚な概念が主語であり、憲法制定の主体であるというきわめて危うい基盤の上に戦後の日本は築かれたのです。「だから改憲すべきだ」という声が出てくる理路は僕には理解できます。でも、問題はそのときの改憲の主体は誰なのか、ということです。> (P.42)

自民党の改憲案はひどい内容だが、いちばんの問題点は、改憲案の前文にあらわれているように、これを起草した人たちの「押しつけ」にある。

……改憲案の前文はこういう言葉から始まります。
 「日本国は、長い歴史と固有の文化を持ち、国民統合の象徴である天皇を戴く国家であって、国民主権の下、立法、行政及び司法の三権分立に基づいて統治される。」
 驚くなかれ、憲法前文の最初の文は「受動態」で結ばれているのです。ここには誰が統治するのかかが書かれていない。独立宣言でもワイマール共和国憲法でも、国家のかたちを宣言する文章は「われわれ」から始まります。でも、自民党改憲案には「われわれ」がない。「日本国民」が出てくるのはだいぶ後になってから、それも国民の義務を規定する文脈の中にはじめて登場します。
> (P.43-44)

自民党の言う「自主憲法」の「自主」とは、こういうものだということが、よくわかる。

内田さんが言うように、憲法改定――改正とは呼びたくないので、私はあえてこう言う――の動きが危ういのは、「なんとなく」安倍政権が「支持」されているような「空気」の中で、事がすすめられていることだろう。

いろいろと興味ぶかい物の見方が展開されていて、面白かった。
次回11月の読書会(小平図書館友の会)のテキスト。
読書会が近づいたら、もう一度目を通してみたい。

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