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2014年10月20日 (月)

【読】拾い読み

今日はくもり空。
明日あたりから天気は崩れそうな気配。

午前中、思いたって眼科医へ。
目がしょぼしょぼするので、ドライアイの目薬をもらう。
緑内障の目薬を変えてもらったことで効果がでてきたようで、眼圧が少しさがっていた。


きのう、図書館でみつけて借りてきた本を、昨夜すこしだけ読んでみた。
これが、面白い。

礫川全次 『異端の民俗学 ――差別と境界をめぐって』
 河出書房新社 2006/4/20発行 210ページ 2,000円(税別)

礫川全次(こいしかわ・ぜんじ)という人は、在野の歴史民俗研究者。

― Wikipediaより ―
礫川 全次(こいしかわ ぜんじ、1949年(昭和24年)- )は日本のノンフィクションライター、在野史家、歴史民俗学研究会代表。東京教育大学文学部卒業。民俗学の見地からサンカ・犯罪史・いじめ・女装などに関する著作を出版している。尾佐竹猛・菊池山哉・金城朝永・小泉輝三朗・村岡素一郎等の書籍の復刻もおこなっている。

まえから気になっていた人だが、日曜日の新聞書評欄で、この人の新刊が紹介されていたのを読み、思いだしたのだった。

はじめて顔写真を見て、親しみを感じた。

20141020_tokyo_shinbun

この新刊、『日本人はいつから働きすぎになったのか』 (平凡社新書)も面白そうなので、ネット注文してみた。

図書館には、この人の著作が三冊収蔵されていた。
そのうちの二冊を借りてみた。
下は、その一冊。


ここ数日で、短編小説を二篇、読んだ。

ひとつは、『文学 2012』(日本文藝家協会編・講談社・2012年)に収録されていた、「イサの氾濫」(木村友祐)

もうひとつは、池澤夏樹個人編集の世界文学全集 『短篇コレクション Ⅰ』 に収録されている、目取真俊(めどるま・しゅん)の「面影と連れて(うむかじとぅちりてぃ)」
感動した。

― 「短篇コレクション Ⅰ」に書かれた池澤夏樹さんの紹介文 ―
<一人語りには力がある。/目の前に坐った誰かがこちらに向かって自分の生涯のことw語りはじめたら、それは聞くしかない。夢幻能の構図である。/この女の語り口がいい。不満を訴えず自慢を混じぇいず、生きてきた日々を訥々と自分の言葉で語る。外から見れば不運と受難の人生だったとしても、それに拮抗する力が彼女の中にはあった。長い不幸を超える短い幸福があった。/本来「あはれ」とはこういうことを行ったのではないか。> (P.496)

「イサの氾濫」は東北弁、「面影と連れて」はウチナーグチ(琉球ことば)、ともに土地の話し言葉の魅力にあふれている。

 


そして、数日前からゆっくり味わいつつ読んでいる池澤夏樹さんの本。

同時並行読書も、拾い読みも、いいものだなあと思いつつ。


目取真俊の「面影と連れて(うむかじとぅちりてぃ) 」は、下の短編集にも収録されているようだ。

『面影と連れて(うむかじとぅちりてぃ) ――目取真俊短篇小説選集3』
 影書房 2013年発行

― Amazonより ―
 出版社からのコメント
〈平和を愛する美しい癒しの島〉のイメージと裏腹に、戦争と支配の歴史に翻弄され、いまだ悲しみの癒えない島、沖縄。そこに住む人びとの生の喘ぎを、かすかな息遣いをも伝える傑出した想像力で紡ぎ出す作家の、その幻想的かつリアリティに迫る作品世界を全3巻に集成。単行本未収録作品12篇を含む中・短篇から掌篇までをほぼ網羅する全33篇を発表年順に収録するシリーズの第3巻、完結編。
 著者について
1960年 沖縄県今帰仁(なきじん)生まれ。
琉球大学法文学部卒。
1983年「魚群記」で第11回琉球新報短編小説賞受賞。
1986年「平和通りと名付けられた街を歩いて」で第12回新沖縄文学賞受賞。
1997年「水滴」で第117回芥川賞受賞。
2000年「魂込め(まぶいぐみ)」で第4回木山捷平文学賞、第26回川端康成文学賞受賞。
小説の他に時事評論集『沖縄「戦後」ゼロ年』(日本放送出版協会)、『沖縄 地を読む 時を見る』(世織書房)等。
新聞や雑誌にエッセイ・評論などを発表。ブログ「海鳴りの島から」。

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