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2015年9月24日 (木)

【読】戦争と昭和天皇

身のまわりが落ち着いてきたので、少しずつ本が読めるようになった。

図書館から借りてきた本がおもしろい。

『戦争はどのように語られてきたのか』
 河出書房新社 2015/5/20発行 247ページ 1,900円(税別)

戦前・戦後の著名人の文章が21編あつめられている。
重要な論説ばかりだと思うのだが、難しそうで読み通すのはちょっとしんどい。
収録されているのは、こういう内容だ。

戦中・戦後を通じ、戦争についてどのような思想的・哲学的考察がなされてきたのか。過去の戦争をめぐる言論を歴史を追ってまとめる。

コミンテルン 日本における情勢と日本共産党の任務についてのテーゼ 抄
小林秀雄 戦争について
石原莞爾 最終戦争論 抄
大川周明 米英東亜侵略史 抄
焼烏敏 大東亜戦争の理念より新秩序建設の大法に及ぶ
橘孝三郎 大東亜戦の本質 抄
多田憲一 戦争現象の哲学的考察
近衛文麿 近衛上奏文
中野重治 日本が敗けたことの意義
坂口安吾 もう軍備はいらない
大熊信行 「義」の意識について――ある哲学者の軽躁を排す
保田輿重郎 日本に祈る 抄
竹内好 近代の超克 抄
橋川文三 「戦争体験」論の意味
谷川雁 私のなかのグァムの兵士
吉本隆明 非行としての戦争
小田実 平和の倫理と論理
鶴見俊輔 平和の思想
村上一郎 「戦略・戦術論」のための序章--日本人にとってたたかいのこころとは何か
渡辺京二 戦争と基層民――天皇制国家の円環
加藤典洋 戦後再見――天皇・原爆・無条件降伏 抄

面白かったのは、巻頭の加藤典洋さんと原武史さんの解説対談。
20ページほどだったので読んでみた。
「戦争を足場に戦後と戦前をつなぐ――原爆、天皇、市井の人々」というもの。

この対談の中で、原武史さんの『皇后考』という本がとりあげられていた。
これがまた、おもしろそうなので、さっそく図書館から借りてみた。

ふたりの対談のなかで、加藤さんが言うところを要約すると、『皇后考』に書かれているのは――1945年2月に近衛文麿が昭和天皇に上奏文を奉呈して、もう降伏を考えたほうがよい、と訴えた。天皇は、もう一花咲かせてから、と考え、結局、敗戦まで六か月動かなかった。この逡巡の底に何があったか。天皇の心の奥に、貞明皇后(旧名:九条節子さだこ/大正天皇の皇后/昭和天皇の生母/皇太后)への恐れ、怯えがあった――というのだ。
貞明皇后は、最後まで徹底抗戦を強く主張していたという。

『皇后考』は、最近の『昭和天皇実録』も参考にして書かれており、これまで知られてこなかった皇室内部の秘話的な事柄も書かれているようだ。
そこに興味をひかれた。

ところで、図書館でこの本の実物を見てびっくり。
652ページ、厚さ5cm近い大著だった。
でも、これはがんばって読み通してみたい本だ。

原武史 『皇后考』
 講談社 2015/2/4発行 652ページ 3,000円(税別)

悠久なる日本の歴史のなかで皇后の果たした役割とは何だったのか。皇后の存在を初めて世に問う画期的論考が結実。

[目次]
序――ある詔書をめぐって
神功皇后と神武天皇
皇后美子・神功皇后・日蓮宗
皇太子妃節子の孤独
団欒と大病と
天皇嘉仁の発病
もうひとつの大礼
皇太子裕仁の訪欧と英国王室
九州へ
関東大震災
大正の終焉
必ズ神罰アルベシ
元女官長の乱心
戦争と皇太后節子・皇后良子
天皇裕仁の退位問題と皇太后節子
皇太后節子の急逝
よみがえる光明皇后

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