【読】いい天気なのに
秋晴れのいい天気。
なのに、昨夜からPCの調子が悪く、とうとう起動しなくなったので、朝からリカバリー作業。
メインで使っているWindows7機だ。
先月から不調が続き、これが三度目のリカバリー作業。
今回は、ハードディスクからのリカバリーもできなかったので、DVDから。
修復ディスクを作っておいてよかった。
リカバリーディスクをはじめて使う。
それにしても、始めてからかれこれ四時間になるのに、なかなか終わらない。
終わってからも、ネットやらメールやらの設定、ウィルス対策ソフトの入れ直し、プリンターの設定など、作業は山ほどある。
■
毎日聴いているTBSラジオも、あまり面白くないので、読みかけの新書を開いてみる。
すこし前に新刊書店で手に入れたもの。
これが、とても面白い。
このところハマっている、原武史さんの新刊。
原武史 『「昭和天皇実録」を読む』
岩波新書 1561 2015/9/18発行 259ページ 800円(税別)
「昭和天皇実録」そのものを読むのはたいへんなので、こういう本はありがたい。
宮中(天皇家)の祭祀が興味深い。
例えば、今読んでいるあたりでは、二・二六事件の後の1936年(昭和11年)7月22日に、昭和天皇がおこなった「賢所・皇霊殿・神殿への親告の儀」での「御告文」が載っている。
(「昭和天皇実録」に、事細かに記載されているらしい)
桂巻くも(かけまくも)恐き(かしこき)此大前に恐み恐みも白さく(かしこみかしこみももうさく)朕天津日継知食(あめつひつぎしろしめ)ししより夜に日に懼れ畏みて御代御代の鴻業を継ぎ弘めむと思ひしに去し二月二十六日由久利奈くも(ゆくりなくも)由々しき事ぞ起りける故畏まりつつ此由を告奉らぐと大前を斎き祭る事を平らげく安らげく聞食して(きこしめして)食国(おすくに)天下を治め調へて国運を弥張りに張り弥進めしめ給へと白す(もうす)事を聞食せと恐み恐みも白す (1936年7月22日条。原文は宣命書き)
― 本書 P.118-119 ―
たいへんわかりにくい文なのだが、このような「御告文(おつげぶみ)」を、アマテラス、歴代天皇、皇族の霊、天神地祇に奉告したということだ。
いやはや、書き写すだけでもたいへん。
こういう儀式が、現在でも宮中では行われているそうだ。
「天皇制」を政治的・制度的にあれこれ論ずるよりも、このようにその具体的な貌(かお)を知りたいと思うのだ。
ふだんの私たちの生活とはかけ離れた世界だが、東京の中心部、空虚な空間でこのような儀式が続けられていることを思うと、不思議なきもちになる。
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